米Appleの2013年度第4四半期 (7月-9月)決算は3期連続の減益となったが、iPhoneが9月期の販売台数記録を更新し、売上高と1株あたりの利益がアナリストの予想を上回った。ただし、粗利益率のみ押し上げられずにガイダンスの範囲に収まったことで、利益率の維持に対する懸念も広がっている。

9月期の売上高は375億ドルで前年同期比4%増。純利益は75億ドル(1株あたり8.26ドル)。前年同期の82億ドル(同8.67ドル)から9%減だった。粗利益率は37% (前年同期は40%)だった。

9月期にAppleは、7月に「Logic Pro X」と「MainStage 3」を発売。9月前半に「iPhone 5s」と「iPhone 5c」を発表し、9月後半に販売を開始した。また9月末にiMacを第4世代Core(Haswell)プロセッサ搭載にアップデートした。

iPhoneの販売台数は3379万7000台で前年同期比26%増だった。iPhone 5sとiPhone 5cが発売された国に加えて、ラテンアメリカ、中東、ロシア、インドなど新興市場での販売も好調だったという。iPadは1407万9000台で横ばい。10月の新製品発表を予想する報道が相次いだ影響もあって、アナリストの予想を下回った。Macは457万4000台で同7%減。これはAppleの予想を上回る数字で、6月に発売した第4世代Coreプロセッサ搭載のMacBook Airが好調だったという。Macが4期連続で前年を下回っている点ついて、CEOのTim Cook氏はiPadとの"共食い"を認めながらも、PC産業全体に比べるとMacの下落幅は小さいとした。

Apple Storeは売上高45億ドルで前年同期比6%増。同ストアにおける1週間あたりのiPhoneの販売台数が前年から36%も増加した。ただし、1店舗あたりの平均売上高が前年の1120万ドルから1090万ドルに下がった。

2013年度通期では、売上高が1709億ドルで前年度比9%増、純利益は370億ドルで同11%減だった。業績発表のカンファレンスコールでCook氏は、2013年度に15件の戦略的な買収を完了させたことを明かした。これは3-4週間に一度の頻度になる。また世界のスマートフォンの浸透率が50%を超えたばかりで、現在10億台規模のスマートフォン市場は2017年には17億台規模に成長するという調査結果を紹介。さらにタブレットがスマートフォンを超える成長率で伸びており、Appleの強みであるモバイル市場がこれからも目覚ましい成長を続けると指摘した。