NECパーソナルコンピュータは15日、同社製ノートPC「LaVie」、デスクトップPC「VALUESTAR」2013年秋冬モデルの発表会を開催した。秋冬モデルでは、いずれもOSにWindows 8.1 64bitを採用。13.3型ながら重量795gを実現した新LaVie Zや、地上/BS/110度CS対応チューナー5基搭載の「VALUESTAR N」などが登場した。

発表会では、同社執行役員の小野寺忠司氏や商品企画本部長の山下敏嗣氏が登壇し、新製品投入の背景の説明や、新製品の特徴を解説した。

「LaVie」および「VALUESTAR」の2013年秋冬モデル

LaVie Z新モデルは、13.3型ながら重量795gの世界最軽量を実現

各デバイスが連携する「PC+時代」を見据える

NECパーソナルコンピュータの小野寺忠司執行役員は、PCだけでなく、各デバイスが連携する「PC+時代」の到来を強調した。

NECパーソナルコンピュータの小野寺忠司執行役員

スマートデバイスの台頭を背景に、今後はスマートフォンやタブレットだけでなく、冷蔵庫などの家庭内の機器にもデバイスが組み込まれ、インタラクティブな機器として発展すると予測。「PCは正統な進化をしているが、その中でPC以外のデバイスを強化する社会が来るだろう。そういった新たなPC+時代に向けて、PCやタブレットをしっかり立ち上げていきたい」と話した。

現在はPCやタブレット、スマートフォンとPCでデータを共有する形だが、今後は家電なども加わり各デバイスがインタラクティブに連携する「PC+時代」が到来する

また、Andoridタブレット「LaVie Tab E」や、Windows 8タブレット「LaVie Tab W」などのタブレット製品を紹介しながら、「時代の急激な変化のなかで、次々と商品を出していきたい」とコメント。

秋冬モデルの中では特に13.3型ノートPCで世界最軽量の「LaVie Z」、TVチューナー5基を搭載した「VALUESTAR N」に触れ、「積極的にアプローチをかけているフラッグシップのマシン、LaVie Zの正統進化モデル。これだけ軽いと、片手で持ち片手で入力するというタブレット的な使い方もできる。VALUESTAR Nは、従来のスタイルを継承しながらファンクションを強化した。ご期待ください」と自信をみせた。

世界最軽量の13.3型ノート「LaVie Z」、500mlペットボトルを使ったデモも

NECパーソナルコンピュータの山下敏嗣商品企画本部長は、6シリーズ37機種にわたる2013年秋冬モデルのなかで、主に13.3型で世界最軽量を実現した「LaVie Z」、および3波5チューナーを搭載する「VALUESTAR N」にフォーカスして解説。

新しい「LaVie Z」を手にするNECパーソナルコンピュータの山下敏嗣商品企画本部長

2012年夏に登場した初代LaVie Zは875g。山下氏いわく「ノートPCの世界に、"軽量"というトレンドを作った製品」で、2013年秋冬モデルの「LaVie Z」は、その後継モデル。新LaVie Zのタッチ非対応モデルについて、WQHD解像度(2,560×1,440ドット)でノングレアのIGZO液晶、第4世代Core、11ac対応無線LAN、約9.2時間の長時間駆動などの特徴を挙げた上で、世界最軽量となる重量が発表された。

「重量は795g。一般的なノートPCの約1.3kgと比べ、500mlのペットボトルを載せても、まだ軽い。持ち運ぶ際にはいつもサプライズ頂けるのでは」と、山下氏はLaVie Zのデモンストレーションを交え、その軽さをアピール。

秋冬モデルの「LaVie Z」(タッチ非対応モデル)は、WQHD解像度(2,560×1,440ドット)やノングレアのIGZO液晶、第4世代Core、11ac対応無線LAN、約9.2時間の長時間駆動などの特徴を持つ。重量は13.3型ノートPCで世界最軽量となる795g

LaVie Zのデモンストレーション。通常のPCを1.3kgと想定し、795gのLaVie Zに500gのペットボトルを加えても、まだLaVie Zの方が軽いとした

この軽量化を実現した要因として、山下氏は「本体素材に超軽量のマグネシウムリチウム合金をボトムケースに採用し、厚みも従来の0.5mmから0.4mmへ薄くした。タッチ対応モデルは約964gで、これも13.3型のUltrabookで世界最軽量。LCDとタッチパネルを直接貼り合わせる『ダイレクトボンディング』を採用し、操作性の向上に加え薄型化も実現した」と説明した。

2013年秋冬モデルの「LaVie Z」では、タッチパネル搭載モデルも用意。重量は964gで、こちらもタッチ対応Ultrabookとして世界最軽量となる

また、一体型デスクトップPC「VALUESTAR N」については、2007年に同モデルを投入して以来、省スペースながら大画面で、AV機能やTV機能を高めつつ、「フォトフレームスタイルという新ジャンルを確立させた」と同機を位置付ける。

2013年秋冬新モデルの「VALUESTAR N」。新たに23型ワイドモデルをラインナップし、TV機能の強化や、YAMAHAスピーカーの向上が図られている

2013年秋冬の「VALUESTAR N」23型モデルでは、「フォトフレームスタイルの概念を超えた新デザイン」を採用。フレーム下部にスタンドを備え、「フォトフレームスタイルは原理的に傾いていたが、今回は垂直立ちで、スイベルも可能。より快適に映像を楽しめる」と映像視聴へのこだわりを紹介した。

同機では、フルレンジとウーファーを搭載した2Wayピーカーに磁性流体を採用するなどサウンド面の強化や、PCで世界初となる地上/BS/110度CSの3波5チューナー搭載による4番組同時録画機能などを紹介。Twitterで盛り上がっているチャンネルを自動表示する連携機能などを「PCならではの機能」として強調した。

フルレンジとウーファーを搭載した2Wayピーカーは磁性流体を採用し、音の歪みを低減

地上/BS/110度CSの3波5チューナーを搭載(B-CASカードは1枚)し、"世界初の5チューナー搭載テレビPC"をうたう

TV視聴ソフトウェア「SmartVision」も強化し、3波5チューナーモデルでは、4番組をマルチスクリーンで同時視聴できる「マルチスクリーン」機能を搭載

「マルチスクリーン」機能は"メイン"画面×1と"サブ"画面×3など、スクリーンの大きさを変更できる

このほか、秋冬モデル共通で搭載する情報リーダーアプリ「My Time Line」を説明。「My Time Line」は、社会的に重要な話題や履歴を分析して興味が高いと思われるものを自動でピックアップし、カテゴライズして表示するリーダーアプリ。

これについても、PC+時代のなかで、「ネットに流れる多くの情報をパーソナライズ化する。設定が必要なのではなく、閲覧すると学習し、パーソナラルな情報リーダーになる。PC+時代でも、イノベーティブなハードウェアで革新、情報のパーソナライズ化を推進したい」とした。

情報リーダーアプリ「My Time Line」。閲覧履歴を分析して情報を表示していくため、個人で異なる情報が表示される