1.4mmのキーストローク、秘密はキーボードのバックライト

これまでの話からもわかるように、VAIO Pro 11は、クラムシェル型ノートPCとしての機能の進化、そして使い勝手を追求したものとなっている。

「クラムシェル型を利用するユーザーは、タイピングすることを重視する。そこで、しっかりとしたタイピングができる操作環境の実現にこだわった」(山内氏)というのも、その開発姿勢を踏襲したものだといえる。

VAIO Pro 11では、1.4mmのキーストロークを実現した。これは、キーボードのバックライトを実現しながらも達成したキーストロークである。

「様々な場所で利用することを想定したPC。カンファレンス会場や飛行機の移動中など、薄暗い場所でも快適に使用できるようにするには、バックライトは必須と考えた」(宮入統括課長)

そこでソニーでは、これまでは0.4mmや0.35mmという厚さだった導光板を見直し、新たな0.2mmという厚さの導光板を新たに採用した。

「この0.2mmのメリットを、外装の17.2mmの厚さを17.0mmへと反映させるのではなく、キーストロークに反映させた。キーストロークが1.2mmであるのと、1.4mmとなるのでは大きな差がある。タイピングスピードを維持するためには、1.4mmのキーストロークは大きな意味がある」とする。

バックライトの進化を、キーストロークへと反映させるこだわりだ。

キーボードのバックライト用に、従来0.4mm厚だった導光板を見直し、新たに0.2mm厚の導光板を採用。浮いた0.2mmをストロークに還元した

また、キーピッチは17mmを実現。「従来からソニーには、11型ノートPCにおいて、17mmのキーピッチでやってきた経験がある。モバイル用途とはいえ、最低限のキーピッチは守っている」とする。

さらに、矢印キーを独立させて操作性を確保。これは、デザイン性とともに、強度を実現する加工を施すことにもつながっている。

キーストロークは1.4mmを確保

キーボード全景。矢印キーも独立させ入力のしやすさにこだわる

また、液晶部が直接床に着き、キーボード面の奥側が持ち上がる構造としたことに加えて、手前側を極限まで薄型化。操作する際には、手元が傾斜した独特のフォルムを実現することで操作性を高めている。

「しっかりしたキーボードと余裕のあるパームレスト。そして、大きめのタッチパッドを用意した。Windows 8で求められるタッチオペレーションにも対応できる製品とした」(宮入統括課長)と、PCとしての操作性へのこだわりは妥協していない。

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