ソニーのVAIO Pro 11は、11.6型液晶ディスプレイを搭載したモバイルPCである。クラムシェル型の基本的デザインを踏襲しながら、ソニーが持つ最新技術を盛り込むことで、モバイル用途で求められる軽量、薄型を追求。タッチパネル非搭載モデルでは重量約770g、タッチパネル搭載モデルでは約870gという軽量化を実現した。
果たして、VAIO Pro 11はどんな背景から誕生したのだろうか。ソニーの開発者を直撃した。
"ソニー"がモバイルに徹底してこだわった「VAIO Pro」
VAIO Proは、2013年夏モデルから設定された新たな製品カテゴリのブランドである。
このカテゴリの基本的な考え方は、「旧来型のPCのフォームファクターを持ち、最先端技術を搭載した上位モデル」という位置づけだ。今回紹介するVAIO Pro 11は、ノートPCとしては一般的なデザインとなるクラムシェル型の設計となっており、それでいて最先端の技術をつぎ込んだものとなっている。
「移動中でも、オフィスでも、PCを使ってモノを生み出す仕事をアクティブに行いたいというユーザー、そして、プライベートでも使いたいというユーザーに適したPC。クラムシェル型のノートPCを利用するユーザーは、タイピングも重視する。キーボードの打鍵感や入力感にもこだわり、それでいて、世界一軽いUltrabookを目指した」と、ソニー VAIO&Mobile 事業本部VAIO企画部商品企画課・山内洋氏は語る。
「ソニーにとってみれば、モバイルフラッグシップの製品。ユーザーにとってみれば、モバイルシーンで利用するための最高のパートナー」というのが、VAIO Pro 11の開発コンセプト。ソニーがモバイルに徹底してこだわると、ここまでできるということを証明したのが、VAIO Pro 11だといえる。
「ソニーが目指すモバイルPCのカタチを想定したとき、それを実現するための技術が出揃い、それをうまくパッケージすることができた。最先端のHaswellや、広い色域を実現するIPS液晶パネル、UDカーボン素材の採用など、作りたかったモバイルにミートする技術の組み合わせによって、自信を持って出せるモノに仕上げられた」と、ソニー VAIO&Mobile 事業本部PC事業部商品1部商品2課・宮入専統括課長は胸を張る。
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