トレンドマイクロは、コンシューマ向けの新製品となるウイルスバスター クラウドなど4製品や新たなサービスを発表した。

図1 新ウイルスバスターシリーズ

なお、製品ラインナップや価格などは、こちらの記事を参照していただきたい。

新ウイルスバスターシリーズに求められるもの

最初に登壇したのは、取締役副社長の大三川彰彦氏である。

図2 大三川彰彦氏

改めて、ユーザーをとりまく脅威について確認を行った。この数年で大きく増大している脅威にスマートフォンやタブレットなどのAndroid端末を狙う脅威が存在する。また、もう1つ注目したいのがSNSなどを狙うものである。そして、この2つが大きく重なりつつある。図3は、SNSサービスの1つであるFacebookの利用者とその利用デバイスを分析したものである。

図3 Facebookの利用者と利用デバイス

見ての通り、国内だけでも2100万人が利用し、さらにその多くユーザーがモバイルからのアクセスとなっている。上述の増大する脅威は、まさにここをピンポイントとして狙っているといえるだろう。さらに、トレンドマイクロでは、ユーザーにプライバシーの懸念について調査を行った。その結果が、図4である。

図4 SNSとプライバシーの懸念

ほとんどのユーザーがSNSを使うなかで、プライバシーに対する懸念を有している。これまでSNSの多くは、「知り合い」や「友人」といった限定された範囲内でコミュニケーションを行うことが一般的であった。しかし、それを逆手にとった不正アプリや行為が発生している。また、多くのユーザーがSNSの設定についてもわかりにくいと答えている。それらの不安に答えるのが、新しいウイルスバスターシリーズと説明する。トレンドマイクロでは3つのDである「デバイスプロテクション」、「データアクセス」、「ダウンロードアプリ」を中心とした3D戦略を推進する。今回の新製品でも、3D戦略に沿った形で強化が図られた(図5)。

図5 3D戦略に基づく強化ポイント

そして、今回の新製品・サービスがユーザーに提供する価値として「SNS対応機能の強化」、「プライバシーの保護」、「サポートメニューの増強」3つをあげた。

図6 新製品がユーザーに提供する価値

これらが、新製品に反映されている。

新製品とサービスの概要

では、その具体的内容について、紹介しよう。次いで登壇したのは、上席執行役員コンシューマビジネス統括本部長の大場彰弘氏である。

図7 大場彰弘氏

まず、トレンドマイクロの3D戦略に沿ってどのような製品が対応するかを示したものが、図8である。

図8 3D戦略に基づく製品とサービス

図5と比較するとわかりやすいかもしれない。順にその製品と新機能などを見ていこう。まずは、PCやMacでメインとなるウイルスバスタークラウドである。

図9 ウイルスバスター クラウドメイン画面

前バージョンからあまり変化しておらず、シンプルな画面構成だ。これまでウイルスバスター クラウドを使ってきたユーザーならば、カンタンに使えるだろう。そして、機能強化されたのが、プライバシー設定チェッカーである(図10)。

図10 プライバシー設定チェッカー

Facebook、Twitter、Google+で、プライバシー設定をどうしたらよいかをアドバイスするものだ。図4にあったように、多くのユーザーは設定をどうしたらよいかわからず、デフォルト状態で使用している。しかし、投稿の共有範囲などは、あまり広げないほうが安全である。これらの設定をカンタンに行うことができる。Facebookでは10項目、TwitterとGoogle+では4項目の設定がチェックされる。これ以外の新機能や強化ポイントは、以下の通りである。

・パフォーマンス向上
・Windows 8.1対応
・コミュニティインテリジェンス強化

パフォーマンス向上では、ファイルインストール時のリアルタイムスキャン速度が、最大16.9%短縮された。コミュニティインテリジェンス強化では、そのファイルの使用人数、使用期間などを独自の方法で分析し、不審なファイルをブロックする。単純にいえば、多くユーザーが長期間使用しているファイルは安全ということだ。

図11 不審なファイルのブロック