説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iOSをアップデートするとアプリが消えてしまう?」という質問に答えます。

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iPhoneを使いはじめて1年未満の人は、「OSのアップデート」と聞いてもピンとこないかもしれません。OS(オペレーションシステム)にはiPhoneというデバイスの動作全般を統括する役割のほか、アイコンやボタン類など画面の細部に関わるデザイン、アプリの機能を支える基礎プログラム群(ライブラリ/フレームワーク)などが含まれ、更新すればiPhoneの機能は一新されます。買い換えたときと同等、あるいはそれ以上の変化がiPhoneに現れることでしょう。

そんなOSアップデートですが、いくつか注意すべき点があります。それは、アップデートすると「iPhoneの中身がまっさらになる」ことです。つまり質問に対する答えは「Yes」、アプリどころか音楽や写真、ビデオなどあらゆるデータが消えますからそれ以上です。

もっとも、心配はいりません。確かにiPhone上のデータは全消去されてから新しいOSが導入(インストール)されますが、作業途中に「復元」が実行されます。これにより、パソコン(iTunes)にバックアップしておいたアプリや音楽がiPhoneに書き戻され、新しいOS上にアップデート前の状態が復活します。アプリのデータも復元されますから、OSが新しくなったことを除けば、ほぼ元通りとなります。

ただし、それはバックアップのタイミング次第です。最後のバックアップが1カ月前であれば、1カ月前の内容が書き戻されることになりますから、アップデート直前までの1カ月でインストールしたアプリとそのデータは失われてしまいます。iOS 7のアップデートがどのような手順になるかは不明ですが、バックアップしたデータが復元に使われることは確実ですから、「アップデート直前のバックアップ」は鉄則といえるでしょう。

写真で解説

アップデート時にはどのバックアップを使うか、選択する画面が表示されます(スクリーンショットはiOS 6アップデートのときのもの)

システムの再起動後には、バックアップから復元されたアプリがホーム画面に並びます。データもアップデート前のままです(スクリーンショットはiOS 6アップデートのときのもの)

書き戻される内容を最新のものにするため、必ずアップデート直前にiTunesでバックアップを実行します