「Mac定番ソフト十番勝負」、少し間が空いたが最終回の10回目はMac上でマルチOSを実行できるVM(Virtual Machine)ソフトを比較してみよう。
VM、Virtual MachineとはOS上で他OSを実行できるようにするためのソフト。Windows PCを使っていた人がMacに乗り換えたとき、これまで使っていたソフトやMacにはないソフトを使いたい場合があるだろう。そんなとき、MacではBootcampという仕組みを使ってMacとWindowsを切り替えて使うことができるが、いちいちどちらかのOSで起動し直さなければならず面倒だ。このVMソフトを使うとWindows OSをインストールした「仮想マシン」を作成し、Mac上で別のPCのように動作させることができる。Windows OSそのものがMacのソフトになったような感じだ。さらにMacのDVDドライブなどの周辺機器も動作し、Windows用のソフトウェアもインストールして利用できる。
Mac用のVMソフトはParallels社の「Parallels Desktop for Mac」、VMware社の「VMware Fusion」、そしてOracleの「VirtualBox」などが有名だ。今回は有償ソフトで定評のあるParallels Desktop for MacとVMware Fusionを比較してみよう。
Mac用VM分野を開拓した先駆者 Parallels Desktop for Mac
2006年にIntel Macで使えるWindows仮想環境ソフトとして登場したのがParallels Desktop(以下Parallels)。それまで、「Virtual PC」というPowerPC系のMacでWindowsを利用できるソフトはあったが、動作が遅く不安定だった。ParallelsはIntel CPU専用とすることでWindowsが非常に安定して利用できる環境を実現した。当時はWindowsだけだったがその後対応OSを増やし、最新版のヴァージョン8ではMac OSのホストOS以外のもの、Linux、FreeBSD、OS/2、Solaris、MS-DOSもインストールして利用可能だ。
VMソフト界の雄 VMware Fusion
VMware Fusion(以下Fusion)は仮想化ソフトでは老舗と言えるVMware社がIntel Mac用に販売する仮想化ソフト。VMware社は1999年にワークステーション用の仮想化ソフトを発売し、主に業務用に製品を開発してきた。Intel Mac用のFusionが登場したのは2007年。こちらもWindowsの各バージョン、ubuntu、Linux、Solaris、FreeBSD、Mac OS X Serverなどのインストールに対応する。