メディアクエリだらけのアプリが!!
続いて話題はデザインカンプ(完成画面イメージ)に。白石氏は、デザインカンプに関する苦い思い出を語った。
「デザインカンプをPhotoshopで細かく作り込んでくれるデザイナーさんがいらっしゃるが、そのような方々の多くは画面サイズを"固定"で考えている。メディアクエリを理解し、320px、480px、640pxなど数種類の画面イメージをピクセル単位で作り込んでくれるケースが何度かあったが、実装するエンジニアの立場からすると、"その間の画面サイズのときはどうするの?"と思ってしまう」(白石氏)
スマートフォンをだれでも利用するようになった現在では、Webページもさまざまな画面サイズで閲覧される。そんな中、ピクセル単位で作り込むデザインにしてしまうと、大量のメディアクエリを用意する事態に陥りかねない。画面サイズが合わなければ想定どおりにはならない可能性が高いのだから、本当に細かい部分は気にしても仕方ないのではないかというのが白石氏の主張だ。
「デザイナーさんの作業負荷がどの程度なのかわからないのでなんとも言えないが、細かく作り込まれたデザインカンプが並べられているのを見ると、正直、申し訳ない気持ちになる。幅100%で作ってしまって伸縮は端末任せ、とするケースも少なくないので、そのあたりの認識を合わせておくのが大事なのかもしれない」(白石氏)
こうしたエピソードに対して秋葉氏は、「端末サイズもそうだが、デザイナーは状態/状況の変化を考えるのが苦手。画面イメージの制作段階では都合の良い状況しか想定していないが、実際は、オフラインになったり、ローディングエラーになったり、新しい画面が必要になったり、あるいは画面やボタンが不要になったりとさまざまな状況が発生する。そうしたケースを網羅するのはなかなか難しく、考慮不足による手戻りが発生することもしばしば」とコメント。続けて「エンジニアさんは、そのあたりのことがなぜわかるのか」と疑問を投げかけた。
これを受けて白石氏は、「一言で言えば慣れ。例えば、アプリケーションを設計するときには、3割くらいはエラーケースを考えている。私は、業務アプリケーションの開発もやっていたから、そのときに自然と学んだ」と回答した。