スマートフォンは、携帯電話とコンピュータ両方の顔を持ちます。ですからスペック表を見ると、専門用語のオンパレード……おいそれと比較はできません。このコーナーでは、そんなスマートフォン関連の用語をやさしく解説します。今回は「外部メモリ」についてです。

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スマートフォンの記憶装置は、取り外し不可の内蔵ストレージ(Android端末では「ROM」、iPhoneでは「容量」と表現)と、外部メモリの2種類で構成されます。後者はカードスロットに装着するmicroSDなどのメモリカードを意味しますが、iPhoneにはカードスロット自体が存在せず、外部メモリはサポートされていません。

スマートフォンの内蔵ストレージには読み書きの速いフラッシュメモリが採用されているため、起動速度が重視されるアプリの保存領域として主に利用されます(参考)。しかし、音楽やムービーは容量が嵩むうえ、アプリほどアクセス速度が重視されない事情もあり、Android端末では容量が限られている内蔵ストレージではなくメモリカードに保存する傾向があります。

そのメモリカードですが、2013年に発売のAndroid端末は「microSDXC」に対応した機種が増えています。microSDXCに対応した端末は、サイズが等しい他のmicroSDカード(microSD/microSDHC)も読み書きできますが、microSDXC対応と明記されていない端末ではmicroSDXCカードを読み書きすることができません。それは両規格のフォーマット形式が異なるためで、microSDXC対応をうたうAndroid端末はexFATをサポートしている、という意味でもあります。

microSDHCとmicroSDXCは、最大容量も異なります(表1)。現在のところ、最大の2TB(テラバイト、1TB=1000GB)に対応したmicroSDXCカードは販売されていませんが、64GBなどmicroSDHCに比べ格段に大容量です。

なお、microSDHCとmicroSDXCの規格自体には、読み書き速度に関する定義がありません。スマートフォン側のスペックではメモリカードの速度は変わらないため、読み書きの速度を重視する場合は、高速タイプの製品を選ぶといいでしょう。

microSD microSDHC microSDXC
フォーマット形式 FAT16 FAT32 exFAT
最小容量 128MB 4GB 64GB
最大容量 2GB 32GB 2TB

microSDXCカード(上)とmicroSDHCカード(下)はサイズがまったく同じですが、最大容量が異なります。microSDXCカード非対応のAndroid端末では、microSDXCカードにアクセスできないので注意が必要です