説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneの側面の継ぎ目に意味はあるの?」という質問に答えます。

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iPhone 4で平たいボディデザインが採用されて以降、iPhoneの側面には一貫して金属フレームが採用されています。「iPhone 5のボディの質感はどうやって実現しているの?」の記事にあるとおり、表面は陽極酸化処理(アルマイト加工)が施されているため、ふだん目にするものとは質感が異なりますが、アルミ合金でできています。

iPhone内部の設計に関連する事柄のため、Appleによる具体的な説明はありませんが、アルミニウムという素材の電導性の高さからすると、デザイン上の理由だけで選ばれたのではないでしょう。iPhone 5を例にすると、側面は上部と中央、下部の3ピースで構成されており、そのうち上下はアンテナを兼ねています。

側面フレームの継ぎ目は樹脂製で、各フレームを絶縁する役割を果たしていると考えられます。iPhone 5では設計が改良された結果、ほとんど発生しませんが、iPhone 4では継ぎ目部分を押さえるようにして持つと電波を受信しにくくなる現象が発生しました。2010年に実施されたケース無償配布プログラムは、手が継ぎ目部分に触れないようにするための対策といえます。

ところで、iPhone 5以降、継ぎ目の色はボディカラーとマッチングされるようになりました。iPhone 4/4Sでは、ブラック・ホワイトモデルのどちらも継ぎ目は黒でしたが、iPhone 5のホワイトモデルでは白くなっています。

写真で解説

iPhone 4S(上)と4(下)では、継ぎ目の位置が異なります。これは、継ぎ目に手が触れると電波を受信しにくくなるので、手で持つ位置から継ぎ目をずらしたためといわれています

iPhone 5では左右のフレームに上下2カ所、計4カ所に継ぎ目があります