今回は、x-riteのキャリブレーションセンサー「i1 DISPLAY PRO」と、キャリブレーションソフト「i1 Profiler」を使用し、商業印刷原稿向けの画像をレタッチする際に最適な「80cd(カンデラ)、5000K(ケルビン)、ガンマ2.2」という目標値にモニターを合わせることにトライしてみた。この数字は、フィルムの時代から印刷業界の標準にそって決められているもので、「80cd」はモニターの明るさを、「5000K」はモニターの色合いを、そして「ガンマ2.2」は画像の中間調の明るさを指定している。もともと印刷物を評価するのに使われてきた、色評価用の標準照明システムの環境に近い状況を作り出すための数字だ。

「i1 DISPLAY PRO」のセンサー部分

まずはモニターの電源を入れたら、表示が安定するまで1時間ほど待つ。その後、PCに測色機を繋げ、キャリブレーションソフトウェアを立ち上げる。モニターでの表示に関する情報を含む「プロファイル」を作るのだが、その作成条件を「80cd、5000K、ガンマ2.2」に設定し、ソフトウェア画面の指示に従って手順通りにキャリブレーションを行っていく。

キャリブレーションの過程では、ソフトを使ってモニターの状態を制御する行程が発生する場合があるのだが、「Cintiq 22HD touch」は明るさ、コントラスト、RGB各色のバランスと、キャリブレーションの際に必要な全ての項目を手動でコントロールする機構が搭載されているのが好印象だ。これらの調整機能は、モニター右上の専用ボタンから呼び出すことができる。ちなみに、モニターの中には、ハード側では限られた項目しかコントロール出来ないモニターも存在し、その場合ソフトウェアによる内部調整がより強く働くこととなる。

Cintiq 22HD touch のキャリブレーション中

Cintiq 22HD touch は、モニターの手動制御機構も充実している