ワコムの21.5型モニター搭載の液晶ペンタブレット「Cintiq 22HD」にマルチタッチ機能を搭載した「Cintiq 22HD touch」が発売された。通常のペンタッチでの入力に加え、指で画面の回転や拡大・縮小をタッチ操作で行うことができるという。

Cintiq 22HD

この記事では、ワコムの液晶ペンタブレットのラインナップの中ではいわば「Mサイズ」であるこの製品の実力や使用感を、「普段「Intuos5」を愛用している、フォトグラファー兼レタッチャー」としての立場からレポートしていきたいと思う。イラストレーターの方々の世界では一定の評価を得ている「Cintiq」シリーズの使い勝手が、フォトレタッチにどのようなメリットをもたらすか?といった観点からも評価をしていきたい。

手持ちのIntuosやモニターと大きさを比較

まず製品を箱から取り出して最初の印象は「思ったより大きい!」ということだ。筆者がペンタブレットを使う際、「作業領域をごく狭くして、細かい作業を行う際には画像を拡大する」のが個人的に好みなので、ペンタブレットは「Intuos4」時代からsmallを愛用している。ペンタブレットとしてどうか?という視点から、手持ちのIntuos5のsmallと並べてみると、その大きさが際立つ印象だ。

Intuos5(small)との比較

EIZOの23インチモニターとの比較

次に、モニターとしてはどうか?という観点から、普段使用している外付けモニターと大きさを比べてみる。普段使用しているのがEIZO製の23インチモニターなので、ひとまわり大きいくらいだ。ファーストインプレッションでサイズからのみ判断すると、Cintiq 22HD touchは「超高精細なペン入力のできるモニターデバイス」と解釈するのが妥当なのだろうか、という印象だ。ちなみに、カタログスペックでは、外形寸法が650mm x 400mm x 55mm(スタンドを除く)。質量がスタンド込みで8.5kgとなっている。

モニター角度を自在に調整できるスタンド

この大きなボディを支えるべく、しっかりとしたスタンドが付属してくる。強度的にはしっかりとした造りでありながら、デスクを傷つけないよう、適所にラバー素材が使用されている繊細さが嬉しい。このスタンドにセットすることで、画面の角度を倒したり起こしたり、さらには水平角度を左右とも180度傾けながら作業することが可能だ。画面の角度を変える場合は、左右にあるスタンド開閉レバーをグッと握るとスムーズだ。スタンドの脚が開いて接地面積が広がるので、設置場所が限られている場合、注意が必要となる。

「Cintiq 22HD touch」のスタンド

スタンドを操作する際は、左右についている開閉レバーを握る