ひとつは、サービスを利用できる機器が増えること。以前からiTunesにはインターネットラジオを聴取する機能が装備されているが、それはMac/Windows版iTunes限定であり、iOSデバイスは含まれなかった。iTunes Radioでは、iOS 7が動作するiOSデバイスを新たにサポート(というより明らかに今後のメインターゲットだ)、Mac/WindowsとApple TVでも利用できる。

名前に「Radio」が含まれるものの、一方的にコンテンツを配信するサービスではないことも挙げられる。従来からMac/Windows版iTunesにあるインターネットラジオ機能は、ネットラジオ局から流れてくる曲をただ聞くしかなく、リスナーの意思は反映されなかった。しかしiTunes Radioでは、リスナーが好む曲/アーティストをもとに近いジャンルの曲をかけてくれる。プリセットされた200以上のネットラジオ局の選ぶ曲が配信されるという根本部分に変化はないが、リスナーの嗜好をGeniusライクに汲み取り選局に反映するという仕組みは(基調講演ではGeniusに言及されなかったが)、従来のインターネットラジオ機能にはなかったものだ。

200以上のインターネットラジオ局がプリセットされ、扱うジャンルごとに分類される。アーティストや曲を選び、そこから関連のある曲に巡り会うことも可能だ