米Facebookが中心となって立ち上げたオープンなデータセンター技術を設計する非営利団体Open Compute Projectは5月8日、最新のプロジェクトとしてスイッチ技術の仕様に取り組むことを発表した。これまでのサーバーやマザーボードからネットワーク分野への拡大となる。

Open Compute Project(OCP)は2011年4月にFacebookが開始したプロジェクト。拡張性があり電力消費効率の良いデータセンター技術仕様を開発と公開を行い、参加企業はこれを利用して高性能なデータセンターを低コストで効率よく構築できることを目指す。現在非営利団体として活動しており、50社を超える企業が参加している。

これまで、サーバー、ストレージ、マザーボード、インターコネクトなどの分野に取り組んできたが、今回それらを結びつけるスイッチに拡大する。

具体的には、OSに依存しないオープンなスイッチの仕様とリファレンス機器の開発を進める。Facebookでネットワーク開発チームを率いるNajam Ahmad氏がプロジェクトのリーダーとなり、Facebookのほかに米Big Switch Networks、米Broadcom、米Cumulus Networks、米Intel、米Netronome、VMware(米EMC傘下)が参加する。先にLinux Foundationで発足したソフトウェア定義ネットワーク(SDN)プロジェクトであるOpen Daylight、ネットワーク仮想化の業界団体The Network Foundationも加わるという。

OCPでは、現在のネットワークスイッチはハードウェアとソフトウェアが一体化した「ブラックボックス」とし、プロジェクトで分離を進めることでネットワークハードウェアの開発を促進し、SDNの進化を支援する、と述べている。最終的には利用者に対し、柔軟性、拡張性、高効率なインフラを構築する自由を提供できる、と意図を語っている。