消費電力測定(グラフ132・133)
さて、懸案の消費電力である。グラフ132は、3DMarkでFire StrikeをExtreme Profileでデモ込みで実行した時の実効消費電力変動をプロットしたもの、グラフ133はここからDemo実施中およびベンチ終了後の待機時消費電力をまとめたものである。
まずグラフ132をみて戴くと、Demoの実施中も500Wは堅く、時折550W程度までピークが伸びているのが分かる。実はこれでもまだ圧縮しており、本当のピーク値で言えば600W近かった。
Combined Test(最後の山)では実際ピークが600Wを超えており、Radeon HD 7970のCrossFire構成とほとんど変わらない消費電力になっている。単体ビデオカードとしては、明らかに他を圧倒する消費電力になっているのが分かる。
次にグラフ133を見ると、まず待機時でも178.7Wとかなり高めになっている。Radeon HD 7970の1枚あたりの待機時消費電力は、HD 7970とHD 7970 CFの差である9W程度と推察されるから、Radeon HD 7990ではZeroCoreによって片方のコアが完全に消費電力0まで落としたとしても、余分に15Wほどの消費電力が加わっている計算になる。
恐らくはPCIe Switchと、再設計された電源回路周りがこの余分な消費電力のもとになっているのだろう。
そして消費電力差であるが、実際Demo実施中の追加の消費電力は320Wに達している。これも平均を取って320Wだから、ピークだと375Wで収まるかどうかはちょっと微妙なところ。
もちろんゲームの場合は連続稼動といっても負荷にムラがあるから、平均すれば375Wに収まるかもしれないが、GPGPU的な用途で使ったらもう少し上がりそうにも思う。
それでもRadeon HD 7970 CrossFireよりは若干消費電力が下がっているが、その分スコアも下がっているわけで、損得勘定は難しいところだ。前回の記事同様にFire Strike Extreme ProfileのGraphics Score消費電力差で割ったものを計算すると
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構成 | Score/W |
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HD 7970 | 18.09 |
HD 7970 CF | 16.91 |
HD 7990 | 16.16 |
GTX 680 | 21.10 |
GTX 680 SLI | 19.21 |
GTX Titan | 19.47 |
となっており、Radeon HD 7970 CrossFireよりやや悪化している事が確認できた。
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