ARMは、TSMC 28HPMプロセスでARMv8アーキテクチャベースのCortex-A57/A53プロセッサを実装するためのPOP IP、およびTSMC 16nm FinFETプロセスに対応するPOP IPのロードマップを発表した。

ARMのPOPテクノロジーは、パートナー各社によるデュアル/クワッドコアの実装をスピードアップさせ、消費電力、性能、実装面積の最適化を実現することを可能にするもので、これにより、CortexプロセッサベースのSoCの開発において、実装を短期間で実施でき、リスクの低減とともに、製品の市場投入時期を短縮できるようになるとARMでは説明している。

Cortex-A57/A53プロセッサは、単独もしくはbig.LITTLEプロセッサの組み合わせとして使用でき、最適な性能と電力効率を提供する。ARMではすでに、Cortex-A57向けPOP IP(28HPMバージョン)をライセンス供与しており、複数のリードパートナーが設計を実装中という。16nm FinFETバージョンのCortex-A57/A53プロセッサ向けPOP IPソリューションは、2013年第4四半期にライセンス供与を開始する。

新しいPOP IP製品は、Cortex-A7/A9/A15プロセッサおよびARM Mali-T624 GPU、Mali-T678 GPUなど、28HPMをターゲットとした既存の製品ポートフォリオに追加される。

ちなみにPOP IPテクノロジーは、ARMプロセッサ実装の最適化に必要な3つの要素で構成されている。1つ目は、特定のARMコアとプロセステクノロジー専用に調整されたARM ArtisanフィジカルIPロジックライブラリとメモリインスタンス。2つ目は、ARMがコア実装で達成した正確な条件と結果を記録する総合的なベンチマーキングレポート。3つ目は、ユーザガイド、フロアプラン、スクリプト、設計ユーティリティなど、結果を出すために使用したメソドロジを詳説するPOP実装知識で、これにより、短時間、低リスクでARMと同じ実装に達することができるという。

なおPOP IP製品は、40~28nmで提供され、Cortex-Aシリーズの各種CPU、Mali GPUについて16nmプロセスまでロードマップが用意されている。