Cypress Semiconductorは4月10日(米国時間)、「PSoC 3/PSoC 5LP」アーキテクチャ用の統合設計環境(IDE)「PSoC Creator」の新バージョン2.2を新しいコンポーネントパックとともに発表した。

新バージョンでは、PSoC Componentsを利用して容易にカスタムコンポーネントを作成/配布したり、カスタムデータシートを生成したりできるようになった。これにより、設計の簡素化および設計時間の短縮が図れると同社では説明するほか、PSoC Creatorには、事前検証済みで量産使用が可能な100個以上のアナログおよびデジタルコンポーネントライブラリが含まれ、バーチャルチップとしてアイコン表示されているため、デザインにドラッグアンドドロップするだけで、幅広いアプリケーション要件に合わせて構成することができる。

「PSoC Creator 2.2コンポーネントパック5」では、MDIOスレーブやSARシーケンサのほか、複数のフリップ/フロップ、パルスコンバータおよび分周器を含むデジタルコンポーネントパックなど、7つの新機能と5つの改善点が盛り込まれている。また、Analog Devicesの温度センサ「TMP05」に接続するための新しいPWMベースのセンサインタフェースコンポーネントも追加されている。コンポーネントは、システムインタフェースとディスクリートICをPSoCソリューションに統合することで、BOMコストおよびボードスペースの削減を実現している。

さらに、インポート/エクスポートツールが追加されており、作成したPSoC Creator Componentsの共有が簡素化される。これにより、例えば、特定ブロックのハードウェアおよびソフトウェアの開発をグローバルエンジニアリングチームで行い、完成したデザインをパッケージ化してシステム統合チームに送るといったワークフローが可能となった。これにより中核的研究拠点の設計方法論をグローバルデザインチーム全体に容易に適用することができるようになるとしている。

なおPSoC Creator 2.2では、PSoCプロジェクトデザインに関する完全なカスタムデータシートが生成可能なため、プロジェクト開発が簡素化される。データシートには、カスタムプロジェクトごとのシステム設定、クロック/ピン明細、レジスタ、およびコンポーネントセットアップの情報を掲載することができるため、最終プロジェクトの文書化の簡素化も可能になるという。