美しく研ぎ澄まされたボディ

V632/26HSの個人的なイチオシポイントは、クラムシェルボディの美しさだ。特にマグネシウム合金製ボディの表面処理の美しさや、触感の良さはぜひとも実機を見ていただきたい。その際は両側面のポートの加工の精度や底面のミニマムな美しさもしっかり堪能しておこう。手抜き感が見えやすい電源スイッチやインジケーター周りもしっかり作り込まれており、設計にかなりの労力を割いていることが伺える。

天板はフラットで、マグネシウム合金製ボディの質感を心ゆくまで堪能できる

底面はファンとスピーカーの穴以外に開口部はない

左側にはHDMI出力とUSB3.0端子が2つ配置されている

右側はSD/MMC/メモリースティックに対応したカードリーダーやヘッドフォン端子を配置

電源ボタンはフチの部分がインジケーターLEDになっている。隣の橙色のLEDは無線LAN利用中に点灯する

本体重量は実測値で1.17kg。規格値の1.21kgより約40g軽い。ボディの剛性を考えたら納得の数値

ACアダプタの重さはACケーブルを含めると約210gと軽い

インプットデバイスの使い心地は?

いくら本体が美しくとも、インプットデバイスがダメならその製品は使い物にならない。特にV632/26HSは軽量化のためにタッチパネルを搭載しないため、インプットデバイスの出来が重要だ。

まずはキーボードをチェックしてみよう。バックライト付きのキーボードは一般的なアイソレーションタイプ。キートップは上下方向に狭いが、横方向に幅をとることで省スペース性と操作性を両立させているのがV632/26HSのポイントといえる。

もちろん小さいだけだと使いにくくなるため、各キートップ中央にわずかな凹みを付けることで、打鍵時に指を滑りにくくする工夫も加えられている。キーの剛性感もよく、ノートPC特有のストロークの浅い打ち心地が気にならなければ、快適に文字入力が可能だ。

ファンクションキーと最下段の特殊キーの小ささが目立つが、その他のキーはある程度の大きさが確保されている

文字キーは幅15.2mm/高さ13mmで、キーピッチは左右方向19mm、上下方向15.4mm。右[Alt]などの一部特殊キーは幅11.9mmと狭い(いずれも実測)

タッチパッドは少し慣れが必要

キーボードの出来に対し「あれっ」と感じたのはタッチパッドの設計だ。Windows 8のジェスチャーも使えるマルチタッチ対応のパッドだが、タッチパッドのボタンが少々曲者。筆者は右クリックの時に右下スミを押し込むクセがあるのだが、深く押し込んでも反応しないことが多々あった。

その理由は、パッド内蔵の物理的なスイッチが押された時に、パッドのどの部分に触れているかチェックして左右ボタンを確認しているため。これはアップルの「Magic Mouse」やマイクロソフトの「Touch Mouse」と同じアプローチだが、スイッチが押されてもパッドに触れたと判定されなければクリックは無効になる。

筆者の場合爪の部分で押す感じになっていたため、反応しなかったようだ。いろいろと試したところ、ボールペンの先などでボタンを押し込んでも一切反応しないが、タッチパネル用スタイラスやスマホ対応手袋などでボタンを押すと認識する。

パッドが反応しない物体でボタンを押し込んでも無反応だが、パッドに反応する物体で押し込むと、左右のクリックとして反応する

なので、確実にクリックボタンを反応させたい場合は爪ではなく指の先を使い、中央寄りを押すようにすると反応させやすい。購入していきなり「左右クリックが利かない!」と思ったら、ちょっとボタンを押し込む操作を見直してみるとよいだろう。操作感自体は悪くないので、コーナー部分の感度の改善を個人的には希望したい。

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