キヤノンは4日、「CINEMA EOS SYSTEM」シリーズのカメラ5機種の性能を向上させる各種ファームウエアおよびアプリケーションのバージョンアップ版を無償で提供すると発表した。2013年6月より同社Webサイトにて順次提供開始される。

対象となるカメラは5機種。「EOS C500/EOS C500 PL」(左)、「EOS C300/EOS C300 PL」(中央)、「EOS C100」(右)

今回のバージョンアップは、映画・CM・テレビ番組といった映像制作現場からの強い要望に応えたもので、カラーマネジメントの効率化やカメラの機能性の向上を目的としている。対象となる製品は、「EOS C500/EOS C500 PL」「EOS C300/EOS C300 PL」「EOS C100」のカメラ5機種。バージョンアップ内容は以下のとおりとなっている。

「ACES」に準拠し、映像制作ワークフローを効率化

4K映像のRAWデータを現像するアプリケーション「Cinema RAW Development」のバージョンアップにより、「AMPAS(映画科学技術アカデミー)」が提唱するカラーマネジメントの規格「ACES」に対応。これにより、色特性の異なる複数のカメラで撮影した映像でも、統一された色空間でのカラーマネジメントが可能となる。なお、対象となるのは「EOS C500/EOS C500 PL」の2機種のみ。

オート機能(EOS C300のみ)と新たな録画モードの追加

カメラ本体のファームアップにより、2012年11月発売の「EOS C100」に搭載され、好評を得ている「PUSH AUTO IRIS」と「ONE-SHOT AF」の機能を追加できる。ワンタッチで自動的にアイリスとピント合わせの調整が可能になるため、特にシネマトグラファーやビデオグラファーがアシスタントなどをつけずに単独で撮影に臨む際に役立つという。また、地上デジタルテレビ放送でも採用されている解像度1,440×1,080の録画モードを追加でき、撮影から放送までの時間を短縮したいテレビ局での編集作業などにおいて威力を発揮する。対象となるのは「EOS C300/EOS C300 PL」の2機種のみ。

画面の拡大表示位置の移動により、広範なピント合わせの確認を実現

カメラ本体のファームアップにより、ファインダーや液晶モニター上で拡大表示する位置を、画面中央以外に移動できるようになる。これにより、画面の隅々までピント合わせの確認が可能となる。