調査会社の米IHS iSuppliは3月19日(現地時間)、先日Samsung Electronicsが発表した「GALAXY S 4」の製造原価に関する分析レポートを発表した。それによれば、16GB HSPA+版の部品原価(Bill of Materials: BOM)は236ドルで、同LTE版のBOMは233ドルとなっている。iPhone 5と比較してやや割高ではあるものの、利益率は高いとみられる。

詳細はIHS iSuppliがまとめた表を参照いただくとして、簡単にダイジェストを紹介する。前モデルのGALAXY S IIIと比較して全体に高性能な部品が用いられているが、中でも最も高価な部品となるのがSuper AMOLED Full HDのディスプレイパネル部分だ。5インチサイズで441ppiの高解像度を備えたフルHDディスプレイは同クラスの製品としては最もハイスペックなもので、同社では75ドルの部品原価と見積もっている。

ほかにはプロセッサのExynos 5 Octa (5410)の30ドル、1300万画素(+200万画素)のカメラユニットの20ドル、NANDフラッシュなどが目立つ高額部品だ。なお、Exynos 5 Octaは現時点でHSPA+版のコンビネーションのみに存在するもので、LTE版はSnapdragonのプロセッサとモデムユニットの組み合わせを用いており、値段もチップセットの関係から後者のほうが安い傾向がある。そのため、LTE版のほうがBOMが低くなっているものとみられる。HSPA+版はIntel (Infineon)+Broadcomのコンビネーションで3G+Wi-Fiを実装しているとIHS iSuppliでは説明している。

ライバル製品となるiPhone 5のBOMについては以前にUBM TechInsightsが分析レポートを出しているが、16GB版で167.50ドルだと予測している。BOM予測についてはUBM TechInsightsは低め、IHS iSuppliが比較的高めに数字を出すことを考えれば、今回のGALAXY S 4と比較対象になるIHS iSuppliが出すiPhone 5のデータは200ドル前後の水準が適当とみられる。いずれにせよ、S 4はiPhone 5と比較して1~2割程度はBOM水準が高くなると考えられる。

一方で販売価格についてはSIMロックフリー版iPhone 5が699ドルなのに対しGALAXY S 4は650ドル程度になるとみられている。実際に携帯キャリアから販売される際にはiPhone 5と同程度か若干安くなるとみられる。