説明書を読まなくても使い方がわかるのが、iPhoneの魅力であり強みです。しかし、知っているつもりが正しく理解していないこともあるはず。このコーナーでは、そんな「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」をわかりやすく解説します。今回は、「iPhoneを耳にあてるとSiriが起動するしくみは?」という質問に答えます。
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Siriの設定画面で「耳にあてて話す」スイッチをオンにしておくと、iPhoneを耳にあてるだけでSiriが起動します。これは、iPhoneに内蔵されているいくつかのセンサーのうち「環境光センサー」(照度センサー/輝度センサー)が周囲の明るさを測り、近くに耳があるかどうかを判定しているためです(関連記事はこちら)。
環境光センサーには近くの物体が耳かどうかを識別する能力はありませんから、実際には周囲の明るさの変化を利用しています。とはいえ、環境光センサーを塞ぐだけではSiriは起動しません。試しに、前面上部にある通話用スピーカー付近、iPhone 5ならば左横、iPhone 4Sならば真上を指で覆ってみてください。なにも起こらないはずです。
実は、Siriが起動されるときには、環境光センサーにくわえて「加速度センサー」でiPhoneの動きを判定しています。iPhoneを斜めかつ数十センチ上へ持ち上げるしぐさを加速度センサーが調べつつ、周囲の明るさを環境光センサーが調べ、暗くなった場合にはじめて「耳」にあてられたと判定するのです。
このしくみを理解していれば、Siriをだますことが可能です。iPhoneを水平に置いた状態から、50センチほど上へ傾けつつサッと持ち上げ、間を置かずに環境光センサー付近を手で覆ってみましょう。耳もとへiPhoneをあてなくても、Siriが起動するはずです。