「AIDMA(アイドマ)」とは? 日頃の業務で何気なく使っている専門用語。でもその言葉の意味、ちゃんと理解して使っていますか?

ソーシャルメディアマーケティングラボが、なんとなく分かっているつもりでも、実はよくわからなくて「もやもや」 している?!今さら人に聞くのはちょっと恥ずかしい、ウェブマーケティング用語を分かりやすく解説します。

 用語説明:【AIDMA(アイドマ)】

Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取ったもので、1920年代にアメリカで販売・広告の実務書を書いていたサミュエル・ローランド・ホールが『Retail Advertising and Selling(小売りにおける宣伝と販売)』の中で「広告宣伝に対する消費者の心理的なプロセス」として発表した。

1898年にセント・エルモ・ルイスが、消費者の心理的プロセスについて最初にモデル化した「AIDA(アイーダ)」(製品あるいはサービスに注目“Attention”し、興味“Interest”を持ち、欲しい“Desire”と思い、購買行動“Action”を起こす)の派生形であると考えられるが、日本ではAIDMAの方が主流となって現在に至っている。

消費者が商品の認知から購買に至るまでのプロセスモデルとして、消費者の購買行動や広告などマーケティング手法の選択や効果測定を考えるときに使われている。

解説

 適切なマーケティング・コミュニケーションを設計するための仮説

マーケティングとは本来、消費者の「心をつかむ」ための活動であり、効果的な広告の制作やコミュニケーション活動、マーケティング戦略を策定する際には、ターゲットとする消費者の心理を考える必要があります。AIDMA(アイドマ)のような消費者の購買決定における心理的プロセスを仮説として採用することで、消費者がどのような状況に位置しているのかを把握・分析し、状況に合わせて適切な方法を検討・実施することが出来ます。

ただし、AIDMAは主に消費者視点での購入に至るまでの心理的プロセスですので、マーケティング戦略に活かすには視点を売り手側に移し、「認知段階」「感情段階」「行動段階」の3つの段階それぞれでコミュニケーション手段を検討しなければなりません。マーケターはAIDMAを意識しながら、影響をあたえるのがどの段階なのか、果たすべきマーケティング目標を明確にし、適切な活動手法と媒体を選ぶ必要があるでしょう。

メディアの進化で変化する消費行動が新しい派生モデルを産み出す

このようにAIDMAモデルでは、マス広告によってAttention(注意)とInterest(関心)をひき、その商品を欲しいというDesire(欲求)をひきだして、Memory(記憶)に焼付け、店頭でのAction(購買)に結びつけるという流れでマーケティング戦術を考えることが一般的です。しかし、AIDMAモデルが有効なのは、低関与購買で購買頻度が高く、購買の意思決定にかかる時間が短く、感情的要素(好き嫌い)に左右されることが多い商品で、さらに情報源としてマス広告の影響が大きい場合だと言われています。

また、購買決定プロセスはユーザーの触れるメディアによっても変わってくるため、インターネットなどマス広告以外の情報源が普及するにつれ、AIDMAだけでは全ての消費行動を分析できないと考えられるようになりました。そのため新しい派生モデルが注目されるようになり、ソーシャルメディアの隆盛によってますます多様化してきています。

イラスト

速瀬 みさき

1993年よりホラー誌デビュー。漫画家として活動しながらエッセイ、イラスト、デザインなども手掛ける。近著コミックスは、メイド喫茶にバイトで潜入取材漫画。広告代理店勤務の夫を持ちながらも、マーケティングなにそれ?状態で執筆中!

公式サイト : http://www.nanacom.com/
Facebookページ : http://www.facebook.com/hayase.mi
用語解説:ソーシャルメディアマーケティングラボ

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