台湾GIGABYTE Technologyは、CeBIT 2013へのブース出展は見送ったものの、一部報道関係者と顧客向けに、Intel Z87搭載マザーボードを公開するとともに、液晶一体型PCに対する取り組みも明らかにした。GIGABYTEが報道関係者向けに公開したIntel Z87マザーボードは、エントリーモデルの「GA-Z87X-D3H」と、主力モデルとなる「GA-Z87X-UD5H」の2製品。また、顧客向けには、オーバークロックユーザー向けに機能強化を図った上位モデル「GA-Z87X-OC」なども開示され、Intel 8シリーズ世代でも、幅広いラインナップを構築していく意気込みを見せる。

GA-Z87X-D3H

Intel Z87搭載マザーボードのエントリーモデルとなる「GA-Z87X-D3H」

同社のIntel Z87マザーボードのエントリーモデルとなる「GA-Z87X-D3H」は、これまでの同社のアプローチから見てもチップセットの機能を素直に実装したベーシックモデル。基板上にはPCI Express x16スロットを3基備え、AMDのCrossFireXやNVIDIAのSLIにも対応する。その構成は、CPU側のx16スロットがPCI Express 3.0 x16接続、真ん中のスロットがブリッジチップを介して接続されたPCI Express 3.0 x8接続(最初のスロットもx8動作となる)、そしていちばん外側のスロットはPCHに接続されたPCI Express x4接続であることが、基板上のシルクパターンから読み取れる。さらに同製品は、PCI Express 2.0 x1スロットが3本とPCIスロット1本を搭載する。このうちPCIスロットはITEのPCI Express-PCIブリッジチップ8892Eに接続されており、Intel Z87がネイティブではPCIをサポートしていないことも見てとれる。

SATA 6Gbpsは合計6ポート用意されており、ほかにオンボードのチップセットもないことから、Intel Z87チップセットそのものがSATA 6Gbpsを6ポートサポートしていることが分かる。また、同社関係者は「エントリーモデルながら、エンドユーザーからの要望も多いため、ギガビットLAN機能にはIntel製コントローラを採用している」とアピール。また、USB 3.0フロント出力用のピンヘッダも、ユーザーからの要望が多かったため、フロントパネル側に位置を変更したのだと言う。そのほかのI/O機能に目を向けると、バックパネルI/0にはディスプレイ出力としてHDMI、DVI-D、Dsubの3系統が用意されているほか、USB 3.0×4、USB 2.0×4などを備えている。

基板上のシルクを見ても、Intel Z87チップセットそのものがSATA 6Gbpsを6ポートサポートしていることが分かる

バックパネルI/Oには、ディスプレイ出力としてHDMI、DVI-D、Dsubの3系統が用意されているほか、USB 3.0×4、USB 2.0×4などを備える

さて、Haswellこと第4世代Coreプロセッサが採用すると言うLGA1150ソケットだが、本マザーボードには保護カバーがされていなかったため、接写撮影も許された。そこで、あらためて現行のLGA1155と比較してみると、確かにCPUの切り欠きの位置がずれており、現行製品との互換性がなくなっていることが確認できた。また、これまでのCPUのほかに、グラフィックスやノースブリッジ機能に別々の電力を供給してきたため、8+2フェーズといった構成を取ってきたが、第4世代Coreプロセッサでは、ISSEC 2013でも公開されたとおりCPUに電源回路を内蔵したこともあってか、本製品の電源回路はシンプルな8フェーズ構成を取っている。

Haswellこと第4世代Coreプロセッサは、CPUソケットがLGA1150に変更され、既存のCPUとの互換性はなくなる

LGA1150ソケットを開けると、現行のLGA1155とはCPUの切り欠きの位置が明らかに異なることが見て取れる

こちらは現行のLGA1155のソケット。左のLGA1150と比べてみてほしい

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