東芝は2月28日、車載や監視カメラなどの幅広い用途に適用可能な画像認識プロセッサLSI「Visconti 3シリーズ」の新製品「TMPV7528XBG」を製品化し、2013年4月からサンプル出荷を開始すると発表した。

同製品は、ARM Cortex-A9 MPCore(2コア)を搭載することで、機器側のソフトウェア開発を容易にした他、単精度・倍精度浮動小数点演算ユニット(FPU:Floating Point Unit)による画像処理性能の向上を図ったもので、カメラからの入力映像を処理し、自動車周辺の車線境界線や、車両、歩行者、標識など複数の認識対象を同時に検知する、車載向け「Visconti」としての従来用途に加えて、カーナビゲーションや車載通信システムと融合させることで、撮影映像をクラウド上の情報とリンクさせるなど、新たな用途に活用できるという。

また、車載向け以外の用途として、監視カメラシステムに組み込むことで、撮影映像をスマートフォンで共有したり、人物認証システムやデジタルサイネージシステムに適用するなど、幅広い用途への適用が可能となっている。

東芝では、同製品を「Visconti 3」シリーズの第一弾製品と位置づけ、今後も画像認識プロセッサLSIのラインアップを強化する方針。また、車載市場に加え、産業市場においても事業拡大を図り、2015年度で「Visconti」シリーズ全体で年間200万個以上の販売を目指すとしている。

なお、「TMPV7528XBG」のサンプル価格は8000円。量産は2014年1月より年産10万個体制で開始する計画だという。