ソニーは2月26日、約10.1インチディスプレイを搭載したタブレット製品「Xperia Tablet Z」(型番:SGP312JP/B・W)を4月13日から発売開始すると発表した。3月にドコモからリリースされる「Xperia Tablet Z SO-03E」のWi-Fi版で、世界最薄ながら防水機能にも対応したハイスペックタブレット端末となっている。今回、同社のXperia Tablet Z担当者に話を聞く機会を得たので、本稿で紹介していこう。なお本稿の写真は、開発機を撮影したもので、最終仕様とは異なる可能性がある。あらかじめご了承いただきたい。
デザインに関しては、一切の無駄を排して使いやすさが追求されている。担当者によれば、「シンプルでありながらも没個性とならないよう、そのあたりを充分に配慮した」という。デザインコンセプトは、先行するAndroidスマートフォン「Xperia Z」にも採用されている「オムニバランスデザイン」だ。"omni"とは"全方向"を意味する言葉で、上下左右どこを持っても快適な操作を実現できるように、との思いが込められている。Xperia Zでは背面にガラス素材を採用したが、このXperia Tablet Zでは軽量強化グラスファイバーを採用した。その結果、手になじむマットな触感になっている。
通常のタブレット端末は、消灯するとディスプレイの液晶部分とベゼルの境目がはっきりと確認できる。しかし本製品では、消灯時にデバイス全体が1枚の黒いガラス板のようなフォルムになる。実はこちらもこだわった部分で、「消灯時のたたずまいも美しくしたい」との思いから実現したのだという。
ディスプレイサイズは、約10.1インチのWUXGA Reality Display(1920×1200ドット)。「10インチタブレットにおける、世界最高クラスの画質を狙った」とのことで、ディスプレイにもソニーが培ってきた様々な技術とノウハウが投入されている。そのひとつが高輝度・高精細な映像を再現する「Reality Display」。従来製品の「Xperia Tablet S」と比較しても、約2倍の色再現性があるという。これにより赤はより赤く、青はより青く表現することが可能になり、映像に深みが増している。
通常のタッチパネル製品は、表面の保護強化ガラスの下にタッチパネルを敷き、その下にディスプレイを重ねるという構造になっている。しかし、Xperia Tablet Zでは保護強化ガラスの裏にタッチパネルを接着した。これにより極限まで薄いディスプレイが実現できたほか、視差(タッチした箇所と反応した箇所の誤差)がほとんどなくなったという。製品サイズは約172(H)×266(W)×6.9(D)mm(最厚部約7.2mm)、質量は約495g。厚さに関しては世界最薄、重さに関しては国内最軽量となっている(10インチクラスの液晶を保有するタブレット製品において。2013年1月 ソニーモバイルコミュニケーションズ調べ)。
CPUには、1.5GHzクアッドコア(APQ8064)を採用。メモリはRAM 2GB/ ROM 32GBで、Android OS 4.1を搭載している。背面のメインカメラは有効画素数約810万画素で、フロントカメラは有効画素数約220万画素。ともにソニー製裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R for mobile”を搭載する。内蔵バッテリーは大容量の6000mAh。そのほか、防水・防塵、NFC、FMラジオ、GPSなどに対応する。
また「モバイルブラビアエンジン2」により、カラーマネジメント/ ノイズリダクション/ コントラスト調整/ シャープネスに関して性能が向上している。タブレット端末の場合、既に形になっているメーカー製の汎用ディスプレイを選択して製品を組み立てるケースが多いが、Xperia Tablet Zの場合は、0からチューニングし納得のいくまでカスタマイズしたディスプレイを採用しているという。
そのほか、本製品のタッチパネルでは"指に吸い付くような追従性"も追求されている。タッチパネルで操作を行う際に、「指がどのように動くか」をあらかじめ予測するソフトを導入し、コンマ何秒後の指の動きをあらかじめ予測しているのだという。
お伝えしてきた通り、Xperia Tablet Zは開発者のこだわりが随所に結実した端末となっていた。スペックの数字だけでは決して魅力を語り尽くすことはできない、そんな製品と言えるだろう。ショップに実機が展示された際には、是非一度手に取って触感を確かめてみてほしい。