マイナビニュースでマウスコンピューターのデスクトップPCをレビューする際は、パワーユーザー向けのハイスペックな機種を取り上げる機会が多かったため、同社製品について性能や拡張性の高さを第一にイメージするユーザーは少なくないだろう。

その一方、コストパフォーマンスでも優れており、ハイスペック機のみならず標準的な性能のPC一式を新たに導入したいという場合でも、リーズナブルな選択肢となるはずだ。今回は、ミニタワー型PC「LUV MACHINES iH」シリーズのベーシックモデルに、21.5型液晶ディスプレイを同梱したセットモデル「Lm-iH531B-P22L-A2」(販売価格79,800円)の実機に触れ、その「買い得度」を確かめてみよう。

ミニタワーPCと21.5型ディスプレイがセットになった「Lm-iH531B-P22L-A2」

iiyama製21.5型ディスプレイが付属

セットディスプレイのiiyama製「ProLite E2278HD」

では、まずディスプレイのProLite E2278HDを見てみよう。昨今すっかり主流となったフルHD(1920x1080)表示に対応する21.5型ディスプレイで、白色LEDをバックライトに採用しているため、消費電力と発熱が小さく、ディスプレイ自体が比較的薄型なのが特徴だ。スタンドは上下方向にチルト可能で、最大で後ろへ23度傾けることができる。

LEDバックライト採用で薄型化を実現。スタンドは後ろへ23度チルト可能

バックライトがLEDになる前の同社同クラス製品(PLE2208HDD)の消費電力が43Wだったところ、LEDの採用によって同20Wにまで削減を実現したという。また、前面右下に用意された「ECOモードボタン」をオンにすることで、ECOモードオフのときに比べ、さらに10%あまりの消費電力削減を可能としている。

ECOモードオンで1割あまりの省電力化を図れる

入力端子はDVI-D(HDCP対応)とD-SUB(アナログRGB)の2系統。パネルのコントラストは1000:1だが、映像信号を動的にコントロールすることで知覚的なコントラストを向上させる「Advanced Contrast Ratio」機能を搭載しており、最大で500万:1相当のコントラストを得られるという。そのほか、アスペクト比固定での拡大表示に対応しているので、4:3表示のゲームを全画面で楽しむ際に映像が横に引き延ばされてしまうことがない。

入力端子はDVI-DとD-SUBの2系統

パネルの駆動はTN方式のため、正面を大きく外れた角度から見たときの色変化は避けられないが、通常使用の範囲で気になることはない。応答速度は5ms(黒→白→黒)で、動画やゲームも残像感はなくスムーズな表示が可能だった。

4コアのCore i5を標準搭載、カスタマイズやOfficeの追加も可

CPUはCore i5-3470(動作周波数3.20GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.60GHz)を搭載している。「LUV MACHINES iH」シリーズに用意されているCPUラインナップの中では最も低価格なものだが、クアッドコアでターボ・ブースト機能にも対応しているので、これでも実際にはかなりパワフルな製品だ。また、マウスコンピューター製品では、液晶セットモデルであっても単体製品とほぼ変わらないBTOオプションが用意されているので、さらなるパフォーマンスが必要なユーザーはCore i7-3770などの上位CPUを選択することも可能だ。

ストレージは標準では500GB HDDで、今回もその構成で試用を行っているが、より大きな保存容量や、より高速なアクセススピードを求める場合は変更が可能で、最大でSSDとHDDをそれぞれ1台ずつ搭載することができる。SSDはインテル520の120/240/480GB、Samsung 840の120/250/500GB、Samsung 840 Proの256/512GBが用意されており、HDDは最大3TB。

コンパクトだがまだまだ搭載の余力があるミニタワー型ケース。ストレージはSSDとHDDの各1台を同時に選択できる

また、マウスコンピューターのほとんどの製品では、2月7日より提供の始まった最新版のOfficeを追加することが可能となっており、このLm-iH531B-P22L-A2ももちろん対象機種である。価格は、Office Personal 2013(Word/Excel/Outlook)をプリインストールする場合、本体価格にプラス19,950円、Office Home and Business 2013(Word/Excel/Outlook/PowerPoint/OneNote)は同24,990円だ。

今回の試用機にはOfficeが搭載されていたので、その使い心地も試してみたが、HDDモデルではあるものの多数のファイルを開いても動作速度に不満が出ることはなく、家庭での文書作成や資料の閲覧、家計簿の編集なども楽々こなすことができる。搭載メモリは本来4GBだが、当面無償アップグレードで8GBが標準搭載となっているので、不足を感じることはほとんどないだろう。

UIもWindows 8仕様のデザインになり、より使いやすくなったOffice 2013 Office 2013の各アプリケーションでは標準のファイルの保存場所がSkyDriveになっている
Word 2013に新しく搭載された「閲覧モード」。資料など長い文書も快適に読むことができる