納期を最短にせよ! が現在のミッション
--社長の目から見て、日本品質を実現できる体制ですか? 点数をつけるとしたら何点くらいでしょう?
小松:うーん、点数をつけるのは難しいですね。MouseProでいえば価格以上に品質が重視されますし、コンシューマ製品は価格が重視されます。ゲームPCのG-Tuneはゲームをプレイするためのスペックが重視されます。それぞれ重視されるポイントが違いますから、どうバランスを取るのか、そこまで見ないと点数をつけることが出来ませんからね。
MouseProに限定していえば、価格、品質だけではなく、法人の皆さんにとって購入しやすい決済方法が提供出来ているのかといった部分にも気を配らなければなりません。
--法人向け製品では、購入前に製品を触ってみたいという声もあると思いますが。
小松:初回のお客様に限り、「しばらく使ってみてください。実際に使ったけれど、思ったような製品でなければ、理由をきちんと仰って頂けるのであれば、返品ください」というサービスを行いました。結果としては、返品はほとんどなかったですね。
--今後、取り組まなければならない課題があるとすればどんなことでしょうか?
小松:MouseProに関していえば、注文を頂いてからテストを行う時間がかかりますから、注文から納期まで5営業日ほどです。この5営業日をもっと短くしたい。理想としては注文して翌日に配送できるような体制が出来ることです。これが出来れば究極のBTO体制になります。
--注文の翌日に配送! それはユーザーとしても理想的です。
小松:そうですよね。BTOといっても、在庫品と同じ納期で届くようになったら究極ですよね。しかも、品質は日本品質が実現出来ている。これが揃ったら本当に強い会社になることが出来ると思います。
現状で即それを実現できるわけではありませんが、決して夢物語ではなく、翌日配送を実現できないだろうか? と社内で議論は行っています。
--それを実現するためには、どんな要素が必要でしょう?
小松:スピードですね。といっても、会議の時に材料だけ持ち込み、決めるのは自分ではありませんという態度では駄目です。どんどん自分で決めることが出来る社員が増えて、社長の役割は社員を止めることくらいになった方がやりやすいですね。きちんと自分で決めていくことができる社員が増えていけば、納期をもっと短くしていくことは決して不可能ではないと思います。
短縮しなければならないのは発注があってから製品をお届けするまでの納期だけではありません。修理の納期を短縮も実現しなければなりません。プロダクトをもっと拡張して欲しいというニーズもあります。まだ、手が着いていないことがたくさんあります。
--パソコンに対しては、市場が年々シュリンクしていくのではないかという厳しい見方も出ていますが。
小松:当社に関していえば、マーケットの動きと連動するほど大きなビジネスになってはいないと私は思っています。我々自身のビジネスの伸びしろはまだ十分にある。個人向けも含め、マウスコンピューターをもっと認知していただかなければなりません。
「パソコンを買う」という時に、選択肢の中に当たり前に当社の製品が入ってくるようになるまでは、まだビジネスの余地があると思っています。
--認知度を上げる鍵はどこにあるのでしょう?
小松:やはり納期ですかね。各パソコンメーカーの製品を見ても、スペックを見比べると差がなくなっています。それに比べるとBTOはスペックの幅が広い。その上で納期が短いとなれば、これまでBTOを選択していなかったお客様もBTO製品を選ぶ可能性が出てくる。日本品質で短納期を実現することが出来れば、十分にビジネスチャンスがあるのではないかと思いますね。
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以上、「MousePro」の事業スタート2周年の節目に、マウスコンピューターの小松永門社長にお話を伺うことができた。まずは今年のMouseProブランドで、修理納期の短縮の実現と、日本品質のさらなる進化が大きな目標と語られている。3年目のMouseProにも期待し、注目したい。