1月19・20日、日本有数のゲーム大会である「eスポーツJAPAN CUP」(日本eスポーツエージェンシー主催)が開催された。海外ではスポーツ競技のひとつとしての対戦型コンピューターゲームが発展しており、eスポーツ選手を職業としているプロゲーマーも少なくない。eスポーツJAPAN CUPは、諸外国同様に日本国内にもeスポーツを根付かせ、数年後にプロリーグを発足することを目指して開催されているゲーム大会で、今回で4回目となる。

そのeスポーツJAPAN CUP 第4回大会の公式PCとして採用されたデスクトップPC「NEXTGEAR i620GA7-ESJC」(販売価格129,990円)が、マウスコンピューターのゲーマー向けブランド・G-Tuneから発売されている。今回はマシンのスペックに加え、コアゲーマーに向けてどのようなフィーチャーが用意されているのかを探ってみよう。

eスポーツJAPAN CUP公式PCに採用された、G-Tuneの「NEXTGEAR i620GA7-ESJC」

一瞬のスキも見せないコアゲーマーのためのPC

G-TuneのデスクトップPCにはハイエンドモデルの「MASTERPIECE」、ミドルタワー型の「NEXTGEAR」、MicroATXサイズの「NEXTGEAR-MICRO」と3シリーズが用意されているが、今回の大会公式PCは「NEXTGEAR」シリーズがベースとなっており、サイズ・拡張性・価格のバランスが取れた、多くのゲーマーにフィットする機種となっている。

ケースは開閉式のフロントパネルで覆われており、USBポートやヘッドフォン端子などを天面に配置。DVDの出し入れ時以外はパネルを閉じて外観をスッキリさせられるので、ゲームのプレイに集中できる。また、パネルオープン時のデザインのほうが好みというユーザーは、ヒンジ部の留め具を外すだけで、フロントパネル自体を取り除くことも可能だ。ケース前面部のパーツはメッシュパネル(防塵フィルター付き)となっており、十分な吸気を確保している。

フロントパネルを閉じた状態でもアクセスできる天面のI/Oポート フロントパネルを開けると、光学ドライブとメッシュパネルになっている本体前面が顔を出す
ヒンジ部分の留め具を外すと、フロントパネルを簡単に取り外せる。空いたヒンジ部を埋めるパーツも付属しているので、パネルがなくても違和感はない

サイドパネルを開けて内部を見てみると、本体前面の中央部は3.5インチベイ、5インチベイともに存在せず、純粋に通気のためのスペースとして確保されていることがわかる。大型のグラフィックスカードを搭載した際もカード周辺にスペースが残されるので、前面ファンからの吸気が無理なく導かれ、GPUを安定して冷却することができる。スペックだけを追求するのであれば、ベイ数を増やしてより多くのドライブやアクセサリーを搭載できるようにする構成も考えられる。しかし、あえて何もない空間を残していることからは、高負荷時に少しでも確実な冷却を行い、信頼性を確保しようとしていることがうかがえる。

フロントパネル、サイドパネルにもそれぞれ吸気用のエアホールを多数備えており、グラフィックスカードやHDDを効率良く冷却する 本体前面の中央付近はベイのないスペースとして確保されており、大型のカードを装着した場合もエアフローを妨げない

ほかにもゲーマー向けとしてユニークなポイントがあり、本機ではマザーボードに有線LANポートがあるにもかかわらず、BTOオプションでインテルの「82574Lギガビット・イーサネット・ コントローラー」を搭載したLANカードを追加できるようになっている。PC歴の長い上級者なら、安定・確実でCPU負荷も低いLANカードとして、パワーユーザーの間でインテル製のカードが高い評価を得ていた時代をご存じだろう。現在はLANポートがマザーボード上に標準搭載されているので、LANカードのメーカーを気にする機会も少なくなったが、リアルタイム性の高いネットワークゲームなど、高負荷時のちょっとした遅延が命取りになりかねないゲームのプレイヤーには、依然として心強いのがインテルブランドのカードだ。

82574Lを搭載したインテル製ギガビットLANカードがオプションで選択可能

また、CPUクーラーに関しても標準の空冷式クーラーに加え、オプションで水冷式クーラーを選択可能となっており、CPU使用率の高い状態が続いても余裕を持って冷却を行うことができ、深夜の練習時などにも動作音を抑えられる。

もちろん、すべてのメーカー製PCは十分な動作試験を行い、一定の基準を満たしたうえで出荷されるので、このような特別な構成のPCを用意しなくても、ゲームのプレイ中マシンに明らかな不具合が出ることは考えにくい。しかし、ソロでゲームをプレイするときとは異なり、対戦相手のいる試合は1回1回がそれっきりの勝負。万が一、偶発的な要因で同じタイミングに負荷が重なり、一瞬でもマシンの動作が鈍るようなことがあれば、相手に大きなスキを見せることになりかねない。G-Tune製品に安定性向上のための工夫が二重三重に施されているのは、そのような不安を抱えることなく、プレイヤーが持つ本来の力を十分発揮するためと考えて差し支えないだろう。