欧州で先週末に開催されたオープンソース会議において、Wine ProjectのAlexandre Julliard氏がAndroid版「Wine」のデモストレーションを行ったという。WineはLinux等の非Microsoft系OS上でWindowsプログラムを走らせるフレームワークだが、同氏のデモで紹介されたWine on Androidは現時点で不十分な動作速度ながらも、開発自体は積極的に取り組んでいるようだ。

同件は2月2~3日にベルギーのブリュッセルで開催されたFOSDEM 2013に関するPhoronixのレポートを、Engadgetが紹介する形で報じている。前述のようにWineはLinuxやMac OS XプラットフォームにおいてWindowsアプリケーションを動作させるフレームワークだが、プロセッサが同じIntel系のx86であり、パフォーマンスでも優れたPCで動作させるのとは異なり、ARM版Androidでは互換性の面でもパフォーマンスの面でも大きなハンデがある。そのため、開発バージョンの動作が実用に耐えないレベルというのもうなずける話だ。

ただPhoronixによれば、Julliard氏が属するCodeWeaversではIntelのAtomプロセッサに非常に大きな期待を抱いており、もしAndroidタブレットの世界でAtomが成功してユーザーの関心を惹くようになれば、同社にとっても大きなチャンスが到来すると考えているという。つまりWineの動作においてAtomタブレットのほうが有利だと考えているのかもしれない。また同カンファレンスでのデモでは、Wineが動作するAndroid環境はエミュレーションで実装されていたようだが、多くが知るようにAndroidエミュレータは実用レベルの速度を実現できていないため、実際にはARMプロセッサを搭載するAndroidタブレットを使えば、ある程度実用的な速度を出せる可能性がある。いずれにせよ、WineはAndroidタブレットの使い方を広げる1つのきっかけとなるものとなるだろう。

(記事提供: AndroWire編集部)