ソースネクスト:スーパーセキュリティZERO

ソースネクストは、日本生まれのPCソフトの販売会社である。今回のスーパーセキュリティZERO(以下、ZEROと略記)以外でも、年賀状ソフト、タイピングソフト、PDFソフトなどを比較的安価で提供する。ZEROも、一般的なセキュリティ対策ソフトと比較すると安価な設定となっている(ソースネクストには、より安価なウイルスセキュリティZEROもある)。ZEROのエンジンには、ルーマニアのBitdefender Internet Security 2013のエンジンが使われている。ヨーロッパではサーバー向けのセキュリティ製品なども含め、実績が高い。ちなみに、ビットディフェンダーも日本国内で販売を行っているが、英語版のみである。したがって、ビットディフェンダー製品を使いたくて、ZEROを選ぶということもあるだろう。

製品ラインナップ

ソースネクストは、セキュリティ専門のベンダーではない。したがって、ラインアップには提供メディアや台数の違いしかない。

  • スーパーセキュリティZERO Windows 8対応1台用/3台用(ダウンロード版)
  • スーパーセキュリティZERO Windows 8対応1台用 USBメモリ版
  • スーパーセキュリティZERO Windows 8対応1台用 CD-ROM版

上でもふれたが、ウイルスセキュリティZEROとの比較の方が、意味があるかもしれない(付加機能の差が大きい)。ZEROの魅力の1つは、更新料がかからないことである。使用しているOSのサポートが継続するまで、更新を含め使用できる。ちなみに、対応するOSのサポート期間であるが、以下の通りである(2012年11月時点、変更になる可能性もある)。

  • Windows 8:2023年1月10日まで
  • Windows 7:2020年1月14日まで
  • Windows Vista:2017年4月11日まで
  • Windows XP:2014年4月8日まで

Windows 8ならば、あと10年以上も使えるということだ。

スーパーセキュリティZERO

ZEROをインストールするとデスクトップ上にウィジェットが表示されるようになる。

図18 ZEROのウィジェット

これで、現在のZEROの状態を確認できる。中心のマークは安全の状態、右のバーはウイルス検査の状況を示す。左のバーはファイアウォールの動作を示す。上部にはイベントの数を表示し、クリックするとイベント画面が開き、ログなどが表示される。下のアイコンは管理ページを表示する。ウィジェットにファイルやフォルダをドラッグ&ドロップで、スキャンを行うことができる。基本的な操作は、ここからすべて行うことができる。メイン画面は図19である。

図19 メイン画面

ここでは、メール対策ソフトが無効になっている。最近は、Webメールを使う機会も多いであろう。もし、ローカルにメールクライアントをインストールしている場合は、適切に設定を行いたい。この例では、イベントが1つ報告されている。メイン画面を表示してみると、イベントにも赤く「1」が表示されている。この部分をクリックしていくと、その内容が表示される。ここでは、脆弱性に関するイベントが報告されていた。

図20 イベントの[脆弱性]タブ

このように、重要なWindows Updateを見逃さなくてすむ。実際に赤くなったイベントをクリックして、[インストール]をクリックする。図21のようにウィザードが起動する。

図21 脆弱性検査ウィザード

ZEROでは、ほとんど操作がウィザード形式になっている。画面の指示に従うだけでよいので、どの操作も簡単である。ZEROの特徴的な機能に仮想ブラウザがある。ZEROをインストールすると、アドレスバーの下にスーパーセキュリティツールバーが追加される。正直、これはわかりにくいと感じた。そこをクリックすると、Webページの評価やボタンが現れる。左の四角が重なったボタンをクリックすると仮想ブラウザが起動する。

図22 仮想ブラウザ

ブラウザ窓が新たに開き、斜線で囲まれたのが仮想ブラウザである。Webからの攻撃があっても、OSが影響を受けることはない。IE以外では、動作を確認できなかった(XPには未対応)。

検知力の高さと安さは魅力

今回の評価では、まず検知力の高さが上げられる。パッケージの検知率100%というのは、やや大きな印象もあるが、あながちでもない。機能的にも、決済ブラウザ、ファイル暗号化や完全削除など、他の製品と比較しても遜色はない。これだけの機能を持ちながら、価格も安く更新料が不要な点は、選択の理由となりうるだろう。

それ以外の評価では、やはりセキュリティ対策ソフト専業ベンダーではない点が浮き彫りになった感じである。情報発信や脅威分析といった対応については多くは期待できない。もちろん、それがなければ、セキュリティ対策上問題があるということではない。しかし、あるとないとでは、安心感が違う。このあたりも検討要素にしたいものだ。