大型冷蔵庫並の省電力機構を搭載する「GR-F43G」

東芝ホームアプライアンスは12月17日、冷凍冷蔵庫「VEGETA(ベジータ)」の新モデル「GR-F43G」を発表した。発売は2月上旬。価格はオープンで、推定市場価格は200,000円前後。

一般家庭では、エアコンと並んで消費電力量がもっとも多い電化製品が冷蔵庫だ。つまるところ、冷蔵庫の節電能力の高さは、その家庭全体の電力消費量に直結する。

冷蔵庫は、定格庫内容量が大きいほど年間消費電力量が少なくなる傾向にある。大容量の上級機には、高度な省エネ技術が採用されているためだ。GR-F43Gは、定格内容積426Lの5ドア冷凍冷蔵庫だ。冷蔵室は224Lで、そのうちチルドルームが17L、野菜室が93L、冷凍室が109L。400L台クラスの冷蔵庫は、普及タイプの300L台クラスよりは省エネ性能に優れるが、500Lオーバーの大容量モデルほどの省エネ技術は、これまで採用されてこなかった。

GR-F43Gの年間消費電力量は210kWh/年。従来機(GR-E43G)に比べて約16%低い数値で、同社の500Lオーバークラスの年間消費電力量に匹敵する。この年間消費電力量の低さは、新断熱構造、高効率部品の採用、冷蔵・冷凍を別々の温度帯で冷やす新冷却システム、制御技術の向上など、大容量冷蔵庫並みの省電力技術の採用によって実現している。

なかでも新冷却システムは、GR-F43Gで初めて採用された機構。同社の大型冷蔵庫では、W-ツイン冷却方式と呼ばれる、冷蔵ゾーンと冷凍ゾーンの2つに別々の冷却器を使用する方式が採用されてきた。

それに対してGR-F43Gの新冷却システムでは、冷蔵ゾーンを冷やす際には冷媒が冷蔵ゾーンにのみ循環し、冷凍ゾーンを冷やす際には冷凍ゾーンにのみ循環するようにダンパを閉じる仕組みが搭載されている。これによって、冷蔵ゾーンを冷やす際には、冷凍ゾーンを冷やす際よりも高い温度で運転することが可能となり、冷却時の無駄を削減、省エネ性能を高めている。

GR-F43Gに採用されている新冷却システムのイメージ

また、「節電」「おでかけ」「ピークシフト」の3種類の節電モードも装備。節電モードは、庫内温度と結露防止ヒーターの制御を調整することで、約10%の省エネを行うもの。おでかけは、旅行など不在の際に消費電力を20%削減するモードで、冷蔵庫のドアを開けるまで、20%消費電力を抑えた運転を行う。ピークシフトは霜取りの時間を4時間ずらすモードだ。

LEDによる除菌・脱臭、冷却器の霜取り時の水分を使用した、野菜室・冷蔵室・チルドルームの高湿度化「うるおい制御」などの機能も搭載されている。本体サイズは、W600×D692×H1,816mmで、重量は87kg。