Netflixなどオンラインでの動画ストリーミング配信が盛り上がる一方で、かつて全国規模で店舗を展開していた従来型のレンタルビデオ店が急速に姿を消しつつあるのが米国の現状だ。レンタルビデオチェーン大手の米Blockbusterはこの流れの中で2010年に破産して現在再建の途上にあるが、各所に展開された店舗を利用して新たな生き残り策を模索しつつある。それが携帯電話の販売代理店事業というわけだ。

同件は米Bloombergが報じている。米国では国土が広く、レンタルビデオ店が隙間なく展開することが難しかったこともあり、もともとそれほどレンタル事業の比重は高くなかったといわれている。こうしたなか、宅配サービスを組み合わせてレンタル事業で急成長したのがNetflixだった。Netflixはその後オンライン配信に比重を移したが、後追い状態だったBlockbusterはNetflixのいずれの事業にも後塵を拝し、DVDレンタルではコンビニやスーパーの軒先に自動貸出機を配置するRedboxらに攻勢を受け、最終的に連邦破産法第11章(チャプター11)を申請する2010年の直前のピークに急速に事業を縮小させている。2011年に衛星放送サービスを展開している米Dish Networkの傘下に入り、現在も事業立て直しを続けているが、その過程で出てきたのが今回の話題となる。

ピーク時の1700店舗からは半減してしまったものの、現在もオープンしている850のBlockbuster店舗の活用法としてスタートしたのが「Blockbuster Mobile」サービスとなる。Blockbusterでは以前から飲料やスナックに加え、ゲームや雑誌等の販売を行っていたが、今回はこれらに加えてVerizon Wireless、Sprint、T-Mobileの3キャリアの携帯電話の販売も開始する。すでにオンラインでは携帯電話の販売もスタートしているが、今回はリアル店舗での販売も行い、実際に店舗スペースを持つ強みを活かしていくのがポイントとなる。以前にゲーム小売りチェーンのGame Stopがタブレット製品の取り扱いをスタートしたことを紹介したが、ユーザーの志向の変化に合わせて商材も柔軟に取り扱っていくスタイルが増えつつある。

(記事提供: AndroWire編集部)