UFO型の特徴的な外観で話題となった米Apple新キャンパスだが、同社が米カリフォルニア州クパチーノ市に11月14日付けで提出した書類によれば、当初2015年に予定していた移転計画は遅れ、2016年半ばにまでずれ込む見込みだという。建設着工も当初の2012年後半ではなく、2014年まで遅れることになるようだ。

同件は米Bloombergが11月21日(現地時間)に報じている。今回の計画遅延だが、原因はAppleだけでなく、市側の対応処理の問題もあるようだ。Appleは今年8月、計画書の修正を9月に行うと予告していた。この新規提案書は前述のように11月中旬に提出されたものの、市側が2013年前半までに承認するのは情勢的に厳しい状態だという。これにより、市が環境レポートの作成を少なくとも来年2013年6月まで行うことはできず、それに伴って工事開始が遅れることになる。市議会が迅速に審査を終了し、住人からの反対意見がまったくなかったときなど、すべてがスムーズに事が運んだ場合、2013年中に工事着工にこぎつけられる可能性があるものの、おそらくは2014年まで工事開始がずれ込むことになると市側の担当者は予測している。

計画遅延の原因の1つは、Apple側の計画変更もある。Bloombergによれば、オリジナルの計画書から下記ような変更が見られるという。

・ 建設中に敷地内からの土砂の運び出しをなくす
・ 1000人以上が収納可能なフリースタンディングの講堂を周囲の道路から離す
・ 駐車場スポット(1万4200台収容でそのうち1万500が地下)と併設の建物の追加
・ 緑化エリアを3倍に拡大
・ 敷地の一角にある川をまたいだ徒歩橋の撤去

ただし、基本的にはUFO型のメインキャンパスを含め大きな計画変更はみられず、実情と要求に合わせて軽く修正を加えた程度だと考えられる。計画がスタートすれば、間違いなくシリコンバレーの新名所の1つになるとみられるが、少なくとも再来年までは現地にその様子をうかがうことは難しそうだ。