Computerworldの報道によれば、GoogleがWindows版/Linux版に続き、OS X版Chrome 23でFlash PlayerのSandbox化を完了し、デスクトップOS向けのChromeブラウザの対応プラットフォームすべてでFlash PlayerのSandbox化を達成したという。これによりプラグインのプロセス分離やさらなるセキュリティ向上などが期待できる。

これはNetscape 2.0時代に導入されてこれまで使われ続けてきた「Netscape Plugin Application Programming Interface (NPAPI)」から、「Pepper Plugin API (PPAPI)」へのプラグインAPIの切り替えが完了したことによるもので、これによりFlash PlayerのSandbox化とそれによるセキュリティ向上が可能になった。NPAPIはプラグインの概念が登場したWebブラウザ黎明期から共通アーキテクチャとして導入されているもので、現在でもInternet Explorerを除くほとんどのブラウザでNPAPIがサポートされている。ただ、NPAPIはサードパーティのプラグイン実装APIとして広く普及する一方で、アーキテクチャ自体が古く、機能拡張や安全性の面で問題があり、Googleは独自のNPAPI拡張プロジェクトとしてPPAPIをスタートし(http://code.google.com/p/ppapi/)、順次Chrome Browserへの実装を進めている。Computerworldによれば、Chrome OSでの実装はすでに1年以上前に完了しており、Linux版とWindows版についても今夏のタイミングで移行を完了している。今回、OS X版ChromeでのPPAPI移行が完了し、デスクトップ向けに提供されているChromeブラウザすべてがPPAPI対応、つまりSandbox化が完了したということになる。

なお、PPAPIをサポートするのは現在ChromeまたはChromium Browserのみとなっている。Windows 8スタイル向けに提供されているChromeアプリについてはPPAPIの動作のみをサポートしており、NPAPIプラグインはサポートしていない。Googleによれば、Chromeにおけるプラグイン利用率はFlash Playerが99.9%と突出しており、まずこれをフォローする狙いがあるとみられる。