機能面でもっとも注目すべきポイントは、AFに「デュアルAFシステム」を採用したこと。これは、ボディ内の上部にある専用AFセンサーによる19点の「位相差AF」と、撮像素子に埋め込まれた102点の「像面位相差AF」の2つが同時に作動する独自のシステムだ。

専用センサーによる位相差AFは、測距のスピードと精度に優れ、被写体が前後に動いても素早くピントを合わせられるという特徴がある。ただし、センサーの数は19点に限られるため、その点から被写体が外れるとピントが合わない弱点もある。

一方で像面位相差AFは、102点という高密度でセンサーが配置され、広い「面」によって測距ができるという点が特徴だ。そこで、この2つの特徴を生かしながら、被写体の動きを3次元的に捉えるのが、デュアルAFシステムの基本原理である。

専用AFセンサーによる「位相差AF」の19点の測距点を表示した状態

アシスト用に使われる「像面位相差AF」の102点の測距点を表示した状態

このデュアルAFシステムを使うには、新搭載したフォーカスモード「AF-D」(デプスマップアシストコンティニュアスAF)を選択する。AF-Dとは、従来の「AF-C」(コンティニュアスAF)に加えて、102点のアシストエリアを使ってピントを合わせ続けるモードのこと。

試用では、動きのある被写体に対してもしっかりと追従するAFの速さと正確さを実感できた。注意したいのは、AF-Dモードに対応しているレンズは、現時点では6本に限られること。対応レンズは、ユーザーアップグレードによって順次拡大していくとのことだ。

フォーカスモードの選択画面では、AF-S/AF-A/AF-C/AF-Dの4モードを選べる

フォーカスモードの呼び出しは、ボディ前面のサイレントコントローラーに割り当てることが可能だ

そのほかのフォーカス関連の機能としては、AFの駆動範囲を任意に設定することで、合焦速度を高める「AFレンジコントロール」や、狙った被写体を追尾し続ける「追尾フォーカス」、AFでピントを合わせた後に、手動でピントを微調節できる「ダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)」などを搭載する。

フォーカスエリアは、被写体に応じて自動的に選ばれる「ワイド」のほか、左と中央、右と3つのゾーンから選べる「ゾーン」、画面中央でピントを合わせる「中央に固定」、任意に測距点を選べる「ローカル」の4モードが用意される。

新機能AFレンジコントロールでは、ピントの範囲を制限することで、背景などに意図せずピントが合ってしまうロスを防げる

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