ソニーは10月30日、ミラーレスタイプのレンズ交換式カメラ新モデル「NEX-5R」を発表した。発売は11月16日で、価格はオープン。

パッケージは本体のみのものと、交換レンズ「SELP1650」(「E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」)が付属する「パワーズームレンズキット」、およびSELP1650に加えて「SEL55210」(「E 55-210mm F4.5-6.3 OSS」)が付属する「ダブルズームレンズキット」の3パッケージがラインナップされる。

推定市場価格は本体のみが80,000円前後、ズームレンズキットが95,000円前後、ダブルズームレンズキットが120,000円前後となっている。

「NEX-5R」。写真は交換レンズ「SELP1650」を装着したところ

「Eマウント」を採用する小型軽量ボディのミラーレス一眼「NEX」シリーズの新モデル。Wi-Fi(無線LAN)接続への対応や、ミラーレス一眼の弱点と指摘されることの多いAF速度の改善が行われた。

AFは、位相差AFとコントラストAFを組み合わせた「ファストハイブリッドAF」を新たに搭載。これは、位置の予測が得意な位相差AFによりおおよそのピント位置までレンズを移動させ、高精度な位置合わせが得意なコントラストAFで最後の微調整を行うというもの。このハイブリッド方式は、ミラーレス一眼のAF速度を改善する技術として、キヤノン「EOS M」など多様なメーカーが開発・採用を始めている技術だ。像面位相差センサーをCMOSセンサー内に搭載している。

上方に180度チルトし、"自分撮り"も可能な液晶モニター

背面モニターは従来モデル「NEX-5N」に引き続きタッチパネルを採用。NEX-5Nでは非対応だったタッチシャッターにも搭載し、撮りたい瞬間、撮りたい被写体に合わせて、タッチ操作でシャッターを切れるようになった。

背面モニターはチルト角が上180度まで対応(NEX-5Nでは90度)。画面を180度チルトさせることで、被写体自身がモニターを確認しながらカメラを構える"自分撮り"が可能となっている。

また、「α」シリーズとして初めてWi-Fi(無線LAN)接続機能を搭載。撮影した画像をワイヤレスでPCやスマートフォンに転送できるほか、ネットワーク上のアプリストア「PlayMemories Camera Apps」から任意のアプリをダウンロード可能。カメラの購入後に、ユーザーが好みに応じて機能を追加できるようになった。

現状で用意されているアプリは、「水彩画調」「イラスト調」など任意のエフェクトを画像に適用できる「ピクチャーエフェクト+」、スマートフォンを経由せずダイレクトにFacebookやPlayMemories Onlineに画像をアップロードできる「ダイレクトアップロード」、スマートフォンからNEX-5Rをリモート操作できる「スマートリモコン」など。

なお、PlayMemories Camera Appsを利用するには、ソニーのネットワークサービス「Sony Entertainment Network」のアカウントが必要となる。

ラインナップされる主なアプリ
アプリ名 機能概要 料金
ピクチャーエフェクト+ 「水彩画調」「イラスト調」「ソフトハイキー+」「ミニチュア+」「トイカメラ+」「パートカラー+」などのエフェクトを適用できる 無料
ダイレクトアップロード FacebookやPlayMemories Onlineへの画像アップロードをカメラからダイレクトに行える。Facebook、PlayMemories Online以外のSNSへも順次対応予定
スマートリモコン スマートフォンやタブレットを用いて、カメラをリモート操作できるアプリ。スマートフォン側でも「PlayMemories Mobile」のインストールが必要
ブラケットPro 「シャッタースピード」「絞り」「フォーカス」「フラッシュ」4種類のブラケット撮影を可能にする 500円
フォトレタッチ 撮影後の画像補正を可能にする。「フレーミング」「明るさコントロール」「水平補正」「美肌補正」などを行える 無料
POBoxキーボード・日本語 SNSへの画像アップロード時などに、文字入力(日本語)を行えるようにするアプリ
マルチショットNR 高速連写した6枚の画像を合成することで、ノイズの少ない一枚を実現する 500円

そのほか、画像内のエリア(平坦部、エッジ部、テクスチャ部)ごとに最適なノイズリダクション処理を行うことで、画像がつぶれないようにする「エリア分割ノイズリダクション」、上位モデル「NEX-7」譲りのコントロールダイヤルなどを搭載する。また、画質劣化を抑えてデジタルズームを行う「全画素超解像ズーム」や、「α57」で搭載された「オートポートレートフレーミング」などにも対応する。

主な仕様は、撮像素子が有効約1,610万画素・APS-CサイズのExmor APS HD CMOSセンサーで、マウントはソニーEマウント、対応感度がISO100~ISO25600、連写速度は3コマ(通常)、最高10コマ/秒(速度優先連続撮影時)となっている。

背面のモニターは3型ワイド・約92.1万ドットの液晶方式、記録メディアはメモリースティック PRO デュオ/PRO-HG デュオ、SD/SDHC/SDXCカードが利用可能。記録形式は2D静止画がJPEG、RAW、3D静止画がMPO、動画がAVCHDおよびMP4となっており、動画の記録画素数は最大1,920×1,080ドット/60pだ。

本体サイズは約W110.8×D38.9×H58.8mm、重量は本体のみで約218g、約276g(バッテリーとメモリースティック PRO デュオ含む)となっている。

フォトギャラリー


iconicon