iPadの全てを備えたiPad mini

再びCook氏が壇上に登場し、話題をiPadに移した。まず2週間前にiPadの販売台数が1億台に到達したと発表。2012年第2四半期のiPadの販売台数が、どのようなPCベンダーのPCの販売台数よりも多かったことを紹介し、さらに教育市場やビジネス分野にiPadが浸透している数字を示すなど、iPadがパーソナルコンピューティングの主流になるつつある状況をアピールした。そしてSchiller氏の再登場だ。

PC販売台数トップであるHPのPC販売台数を上回るiPadの販売台数(2012年第2四半期)

タブレットのWebトラフィックの91%がiPad

ここでiPad miniの発表と思いきや、早くもiPadが第4世代になるというサプライズ。A6Xチップを搭載し、第3世代と同じバッテリー駆動時間で、CPU・グラフィックスともに最大2倍の性能に向上した。

A6Xプロセッサを搭載した第4世代iPad。この瞬間、会場からは歓声とため息(第3世代ユーザーか!?)

第3世代が搭載するA5Xから、A6XはCPU性能、グラフィックス性能が最大2倍に

「わたしたちは顧客の皆さんを手助けするために、新しいテクノロジーを研究し、皆さんを驚かせるような新しい活用方法に結びつけてきました。皆さんを手助けするために、他にどのようなことができるでしょう。たとえば、皆さんが想像していなかったような場所や状況でもiPadを活用できるようにする……」と、シラー氏が語っているとスクリーンに映されていた第4世代iPadがゆっくりと回転して、背後からより小さなiPadが現れた。7.9インチディスプレイを備えたiPad miniである。

本体サイズは200×134.7×7.2mmで308g。成人男性の手に収まる大きさで、重さは10インチiPadの半分以下だ。片手で操作するようなシーンや用途に、iPadを活用できるようにする。

片手に持ってiPad miniを紹介するフィル・シラー氏

Nexus 7と思われるAndroidタブレット(左)とコンテンツ表示を比較。7インチタブレットの面積は21.9平方インチ、画面比率4:3の7.9インチディスプレイのiPad miniは29.6平方インチと35%も大きい

iPad miniのディスプレイ解像度は初代iPadやiPad 2と同じ1,024×768ドット

iPad miniでは275,000以上のiPad用アプリを使用できる

プロセッサはA5。フロントにFaceTime HDカメラ、リアにiSightカメラ、さらにスピーカー、マイク、Wi-Fi、Bluetooth、各種センサ(Gyro、加速度、環境光、デジタルコンパス)を搭載する。LTE対応のWi-Fi+Celluler版も用意された。7.9インチディスプレイの解像度は1,024×768ピクセルなので、既存のiPad/ iPad 2用のアプリがそのまま動作する。iPadでできることはiPad miniでもできる。名前が示す通り、iPadの全てをコンパクトにまとめたiPadのミニ版である。

iPadの全てを手のひらで持てるサイズに

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