Appleがスペシャルイベント会場に用意したハンズオン(体験スペース)では、ほとんどの人がiPad miniに直行し、13インチのMacBook Pro Retinaディスプレイモデルや新しいiMacは少し待つだけですぐに体験できるような状態だった。改めてiPadの人気の高さに驚かされたが、iPad miniに話題が奪われているのはもったいないことである。MacBook ProやiMacも新製品として、iPad miniに劣らぬ魅力を放っていた。

大混雑のiPadエリア(左)、Macエリア(右)ではゆっくりと体験できた

13インチのMacBook Pro Retinaディスプレイモデルは、本体サイズが31.3×21.9×1.9センチで重さが1.62キロ。通常のMacBook Pro 13インチより1ポンド近く軽く、MacBook Airの13インチモデルよりも約0.6ポンド重い。実際に持ってみると「軽い」と感じた。15インチのMacBook Pro Retinaディスプレイモデルを初めて持ったときに「スリムだけど、やはりMacBook Pro」と思ったのと逆である。「MacBook AirにRetinaディスプレイが搭載されたら……」と思っている人は、13インチMacBook Pro Retinaモデルを持って試してみることをお勧めする。

両サイドおよびディスプレイで隠れた部分に通気口、効率的かつ静かに冷却する

スペックで劣る13インチのMacBook Proを"Pro"と呼ぶことに否定的な声も存在する。RetinaディスプレイモデルもグラフィックスがIntel HD Graphics 4000であり、ディスクリートなグラフィックスを搭載していない。またBTOを含めてメモリーの選択肢は8GBのみ。本当にプロ向けの製品として考えているならば、自分の使用法に十分であるか確かめる必要がありそうだ。ただしハンズオン会場では、フルHD動画を再生しながらApertureを操作してもスムースに動作していた。Retinaディスプレイの表示も滑らかだ。これはバランスの良さによって引き出されるものなのか、ベンチマークや分析への興味がわいてきた。

精細なRetinaディスプレイでは「サムネイル画像の小さな文字も読める」とアピール

新しいiMacは、まず美しいと感じた。たたずまいに惹き付けられる。エッジの薄さはわずか5ミリ。前モデルと同様、底部にスピーカーがあり、薄いエッジからクリアなサウンドが出てくる。ハンズオンの担当者の説明によると、背面のカーブをサウンド機能に利用しており、27インチモデルの方がより豊かなサウンドを楽しめる。

エッジ部分は5ミリ、前モデルから容積が40%小さくなった

底面にステレオスピーカー

左からヘッドフォン、SDXCカードスロット、USB 3.0×4、Thunderbolt×2、ギガビットEthernet

Retinaではないものの、ディスプレイの向上も目覚ましい。ガラスと液晶を一体化させた構造を採用し、プラズマ蒸着で反射防止コーティングを施しており、色彩が鮮やかで表現に迫力がある。Apple Online Storeのオプションとして、高速なフラッシュストレージと大容量のハードドライブを組み合わせたハイブリッドドライブ「Fusion Drive」を選択できる。同ドライブを搭載したiMacではiTunesやiPhotoがすばやく起動した。効果の高いオプションであるようだ。