キヤノンの高倍率ズーム機「PowerShot SX」シリーズの最新モデルとして「PowerShot SX50 HS」が登場した。特徴は、テレ(望遠)側の焦点距離が1,200mm相当になる光学50倍ズームを搭載したこと。レンズ一体型のコンパクトデジカメでは世界最高の倍率だ。この高倍率で、どんな写真が撮れるのかを体験してみた。

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キヤノン、驚異の光学50倍ズームレンズ搭載デジカメ「PowerShot SX50 HS」

「PowerShot SX50 HS」

ボディは、一眼レフを彷彿させるオーソドックスなカメラスタイルを採用する。大きさは、一眼レフのエントリー機に比べて一回り以上小さく、バッテリーを含めた使用時の重量は約595g。2011年に発売された光学35倍ズーム機「PowerShot SX40 HS」よりも、幅と高さ、奥行きはわずかに縮小し、重量は5g軽くなっている。

デザイン的には、従来のSX40 HSや「SX30 IS」で見られた少々ふっくらとした曲線的な形状から、各部をシェイプアップし、凝縮感のあるフォルムに生まれ変わった。やや尖ったデザインから、万人受けしやすい正当派カメラデザインに変更された、という見方もできる。

深い凹凸のあるグリップを装備。ボタンやダイヤルは比較的大きめで押しやすい

従来より精細化した約46.1万ドットの2.8型バリアングル液晶を搭載する

外装はフルブラックの樹脂素材。レンズの鏡胴部分などの一部に金属素材を採用することで、見た目の高級感と剛性感を高めている。大きく突き出たグリップ部は手になじみ、ホールドバランスはまずまず。電源ボタンを押すとレンズが少しせり出し、約1.4秒で素早く起動する。

ズームの操作には、シャッターボタンの周辺にあるズームレバーを使用する。これまでの同社製品と同じく、レバーの角度によってズームスピードが変化する可変式だ。ズームアップするほどレンズ部がせり出し、テレ端ではレンズ先端から約6cm弱突き出た状態になる。

35mmフィルム換算の焦点距離は、ワイド側24mm、テレ側1,200mmに対応。遠景の被写体を大きく引き付けて撮ったり、遠近感を圧縮して引き締まった構図で撮ったりするのに最適だ。画質劣化を抑えながらデジタルズームを行う「プログレッシブファインズーム」を使えば、2,400mm相当で撮ることもできる。

液晶モニタの上には、約20.2万ドットの液晶ビューファインダーを装備する

テレ端までズームアップした状態。ズーミングは滑らかで作動音は小さめだ

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