Gartnerは10月23日(米国時間)、2013年に向けた10の技術トレンド予測を発表した。今後3年で企業に大きな影響を与える技術動向となり、モバイル、クラウド、ビックデータなどの分野が中心となっている。

今回Gartnerが発表した10の戦略技術トレンドは以下の通り。

(1)モバイル端末の戦い

(2)モバイルアプリとHTML5

(3)パーソナルクラウド

(4)エンタープライズアプリストア

(5)モノのインターネット

(6)ハイブリッドITとクラウドコンピューティング

(7)戦略的ビックデータ

(8)分析

(9)インメモリコンピューティング

(10)統合型エコシステム

Gartnerは毎年秋に、翌年に向けた戦略技術トレンドを挙げており、今年も米フロリダ州オーランドで開催中の自社イベント「Gartner SYMPOSIUM/ITxpo」で発表した。

同社はITや企業にとって破壊的なインパクトを与える可能性があるものを「戦略的技術トレンド」としており、企業は、これらのトレンドを積極的に利用するアーリーアダプタとなることで、事業優位を得られる可能性があるという。逆に、投資を行わなければ乗り遅れるリスクがあるとしている。

分野としては、ソーシャル、モバイル、クラウド、情報の4つが中心で、これらが融合し組み合わさることで企業や社会を大きく変革する可能性があるという。

例えばモバイルでは、PCからスマートフォンなどのモバイル端末への移行が進んでおり、2013年には携帯電話がWebにアクセスする主流の端末になると見ている。

2015年には、成長国で販売される携帯電話の8割がスマートフォンになり、メディアタブレットの出荷はノートPCの50%を占めると予想する。同時に、このようなモバイルへのシフトにより、OSの主役も変わりそうだ。

PCで独占的だったWindowsだが、同社はスマートフォンでの「Windows Phone」のシェアは20%、メディアタブレットでの「Windows 8」は、iOSとAndroidに次ぐ3位になると見ている。モバイルに関連して、業務アプリケーションのモバイル化とアプリストアの活性化も挙がっている。

クラウドでは、個人レベルではPCに個人のコンテンツを保存するモデルからクラウド利用へのシフトが進むと見ている。企業レベルでは、IT部門にとって従業員や外部の提携企業向けに複雑なクラウドサービスのプロビジョニングを行う役割が重要となっていることなどを指摘している。

また、ビックデータ、それに高速処理を可能とするインメモリコンピューティングにより、分析も変わりそうだ。クラウドベースの分析エンジンとビックデータレポジトリにアクセスできるモバイルクライアントにより、最適化やシュミレーションをいつでもどこでも利用することができる。これまで静的だった分析だが、業務のすべてのアクションで分析を行うようになると予想する。