WordPressに対応した最新「ホームページ・ビルダー」

日本で最初に公開されたWebページは、文部省高エネルギー物理学研究所計算科学センター(現大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構)所属の森田氏が1992年9月に立ち上げた「KEK Information」だという。現在でも同ページは閲覧可能で、WWW(World Wide Web:ワールド・ワイド・ウェブ)サービスが世界レベルで始まった翌年には、日本でも"ホームページ"という文化が始まったのである(図01)。

図01 日本初のWebサイトといわれる「KEK Information」。既に更新は終了している

そこから数えて約二十年の月日が経った現在、企業や特定のブランド、個人や集団が自身のWebページを用意するのが一般的になった。情報発信や顧客収集、個人的意見の発表など、あらゆる場面に用いられる状況は改めて述べるまでもないだろう。しかし、Webページを構成するHTML(HyperText Markup Language)やCSS(Cascading Style Sheets)といった言語やスタイルシートは複雑化し、リッチUI(ユーザーインターフェース)と呼ばれる動的な操作を実現するには、JavaScriptやAdobe Flash、HTML5などを駆使しなければならない。コンピューター初心者によるWebページの作成は、ますますハードルの高い存在となってしまった。

そもそもWebページを作成しても多忙な日常に追われ、更新がおろそかになってしまうため、日々の更新は最小限の労力で済ませたいと考える方は少なくないだろう。そこで注目したいのがCMS(コンテンツマネージメントシステム)と呼ばれる管理や更新作業を最小限に抑えるシステムの存在だ。以前から多くのサイトで採用されてきたが、個人や中小企業に浸透したとは言いがたい。

そこで、老舗のホームページ作成ソフトである「ホームページ・ビルダー」シリーズが注目したのが、オープンソースのCMSプラットフォームである「WordPress(ワードプレス)」。2003年にリリースされたWordPressは、本来ブログなど動的なページ生成を行うためのソフトウェアだったが、開発が進むことでCMSとしても活用可能になり、現在では多くのブログサイトで用いられいている(図02)。

図02 WordPressの公式サイト。同ソフトウェア自体はPHPで動作する

シリーズ最新版となる「ホームページ・ビルダー17」はWordPressに対応し、本来であれば技術的な知識を必要とするWordPressサイトの構築を踏まえ、インストールからホームページの開設・更新までの作業をコンピューター初心者でも実行できるようにな配慮を各所に盛り込んでいる。また、個人ユーザーがもっとも好むホームページのデザインも多くのテンプレート(テーマ)を用意し、自由にカスタマイズする機能も用意(図03)。

図03 WordPressとの連係やアクセス支援機能を備えた「ホームページ・ビルダー17」

11月からはFacebookやTwitterを利用し、ホームページへのアクセス数を増加させるサービス「コックピット」との連係機能も用意しており、設置したホームページを支援する機能はますます充実した。本稿では今後より普及するスマートフォンやタブレットからの更新も可能になった「ホームページ・ビルダー17」の具体的な機能や注目ポイントを確認する。

なお、「ホームページ・ビルダー17」には、通常版やバージョンアップ版に加えて、テンプレートや素材、WordPressの解説を増補したガイドブックやFlashでアニメーションを作成できるソフトウェアをセットにした「同バリューパック」。さらに素材などを追加し、集客のためのSEO対策を行う「seoマスター EXPRESS」や「ネットマーケティング検定 公式テキスト」を同こんした「同ビジネスパック」も用意されている。