iOS 6とほぼ同時にiPhone 5が発売されたこともあり、従来モデル、特にiPhone 4は"過去のもの"感が現れはじめた。しかし、さにあらず。iPhone 4の発売はいまなお継続されているし、もちろんiOS 6も動作する。問題は、軽快に動作するかどうかなのだ。
iOS 6をiPhone 4で動かすということ
iOS 6は現在のところ、iPhone 3GS/4/4S/5、iPad 2/iPad(第3世代)、およびiPod touch(第4世代)で動作する。iPhone 3GSを除けば、基本的にApple A4以降を搭載したデバイスが対象となるが、それでもApple A4を搭載する初代iPadは除外された。
クロック数で判断すると、iPhone 3GSより処理能力は高いはずなのになぜ初代iPadが……と不整合性を感じてしまうが、Apple A4はCortex A8とPowerVR SGX 535 GPUという既存アーキテクチャをベースにしており、クロック数こそ1GHzに引き上げられてはいるが、iPhone 3GSのSoCと比較して劇的な変化とまではいえない。それに、iPhone 3GSの画素数(320X480、約15万3千)は初代iPad(768X1024、約78万6千)に比べ約5分の1と大幅に少ないが、GPUは同じPower VR SGX 535だ。
となると、同じApple A4を搭載し画素数は640X960(約61万4千)に増したiPhone 4がサポート機種に残ったのはなぜか、ということになるが、その「61万と78万の間」とメモリ容量の差(初代iPad=256MB、iPhone 4=512MB)に越えられない壁があるのだろう。ユーザエクスペリエンスを重視するAppleのこと、描画性能や操作感を含めた全体のバランスを考慮し、初代iPadをサポート機種から外したものと推測される。
だが、初代iPadがiOS 6でドロップしたという事実からすると、画面の解像度とメモリ容量を除きスペック的に近いiPhone 4は、iPhone 3GSともどもiOS 6の"当落線上"近くに位置することは確かだ。iOS 5のときと同じく快適に利用できるのか、しっかり吟味する必要があるだろう。……続きを読む