米国ではAT&T、Sprint、Verizon Wirelessら大手キャリア3社からiPhone 5がリリースされているが、このうちCDMAネットワークを全米に展開するVerizon WirelessのiPhone 5が、実はSIMアンロック(SIMロックフリー)版であり、他社のSIMを挿入して国内外で自由に利用できるという。
同件はiDownloadBlogが紹介している。それによれば、Verizon WirelssはCDMAで3Gネットワークを全米展開するキャリアだが、同社のiPhone 5はGSMネットワークに対してはSIMアンロック版として機能し、自由にSIMを差し替えて他社のネットワークで利用が可能だという。iDownloadBlogでは実際にAT&TのMicro SIMをNano SIMのサイズにカットして挿入し、Verizon Wireless版iPhone 5でAT&Tの4Gネットワーク(HSPA+)への接続に成功したという。今回はAT&TのSIMだったが、これを利用することで海外旅行の際に現地でSIMを購入して差し替えることで安価にデータ通信する、といった使い方が可能になる。
ここでAT&TのLTEに接続されない理由の1つとしては(LTE接続の場合は表示が「4G」ではなく「LTE」になる)、Verizon Wirelessで提供されているのがCDMA版のいわゆる「Model A1429」であり、AT&T版の「Model A1428」とは異なるため、該当するLTE帯域をサポートしないことに起因する。北米以外のGSM版「Model A1429」対応地域(例えば日本)での動作は不明だ。もっとも、199.99ドルの割引価格で購入するにはポストペイドでの2年契約が必要であり(1ヵ月ごと更新の契約は649.99ドル)、逐次Nano SIMへのサイズカットを行う必要なことを考えれば、日本人旅行者が気軽に米国に行って購入……といったことは現実的ではない。あくまでVerizon Wirelessユーザー向けの特典といえるだろう。
むしろ気になるのは、同じCDMA版「Model A1429」を展開するKDDIやSprintといったキャリアでの対応だ。また米国では今後、これと同じCDMA版「Model A1429」の展開を間近に控えるCricket Wireless、C Spire、Virgin Mobile USA (Sprint傘下のMVNO)といったプリペイドキャリアが存在する。これら端末についての扱いはどうなのだろうか気になるところだ。