世界最大級の家電関連の見本市「IFA 2012」が、ドイツ・ベルリンのメッセベルリンで8月31日(現地時間)から開幕する。前々日となる29日からは、報道関係者向けのキーノートスピーチが始まり、パナソニックやソニー、サムスンといった大手のプレスカンファレンスも行われる。会期は9月5日までとなっている。

29日に開催されたキーノートでは、2012年の世界の家電市場は金融危機の影響を受けて、市場規模は11兆ドル、2%の成長にとどまるとの予測が示され、欧州市場は2,920億ドルで横ばいになる。西欧の市場規模は2012年に中東・アフリカ市場に抜かれる予測だという。

家電市場の予想

各地域の市場規模

テレビは対前年比1.8%増となる2億3,200万台、スマートテレビは同48%増の8,900万台、3D テレビは同117%増の4,300万台、50型以上のテレビは同25%増の1,500万台に拡大。タブレット端末は同68%増の1億600万台、スマートフォンは同62%増の7億台に達する予想だ。

キーマーケットにおける成長率

ホームアプライアンス市場規模

家電市場では新しい潮流も出てきており、テレビでは、インターネット接続だけでなく、スマートフォンなどの外部画面として使われる2番目のスクリーンとしての使われ方や、ソーシャルメディアと組み合わせて使われる「ソーシャルTV」が例としてあげられた。

IFAは、2007年から順調に拡大を続けてきており、出展者は今年1,439になった。来場者も昨年は26万8,000人に達しており、ギリシアなどの金融危機があっても、欧州全体のGDPは2.4%の成長率を確保しており、そうした欧州におけるIFAの存在感をアピールする。

欧州のGDPは、ギリシアなどがマイナスだが、全体ではプラスになる見込み

いずれにしても、米国の「International CES」と並んで、家電市場の今後の動向を占う上でも重要な見本市となっている。