Webカメラによる撮影を無事終えると、アップロードした顔写真の分析に取りかかり、トリミングからベクトル画像への変換処理が順次行われる。後はSketchbotsに完成データを送信するだけだが、電子メールアドレスを登録すると動画完成時に通知する仕組みを用意。また、ビデオを保存する際はYouTubeのアカウント(Googleアカウント)が必要だった(図05~09)。

図05 撮影画像をアップロードすると、顔写真としてのトリミングが行われる

図06 色調変換やエッジ検出などを経て、ベクトル画像への変換が自動的に行われる

図07 後は完成したイラストをSketchbotsに送信するだけだ。なお、YouTubeのアカウントを用いればビデオを後で確認できる

図08 後は順番を待ってロボットによるイラスト作成を待つだけだ

図09 事前に電子メールアドレスを登録することで、動画による描画シーンを確認できる

日本で撮影した画像が(おそらく)米国のサーバーで処理され、英国のロンドンで描画されるという実験は、国々という垣根の存在を取りやったインターネットの可能性を否応なしに感じさせる。Google ChromeがgetUserMedia APIをサポートすることで、今後はWebカメラから取り込んだ映像や音声と連携するWebアプリケーションが登場するのではないだろうか。

なお、このような取り組みを行っているのはGoogleだけではなく、Mozilla Firefoxも開発者向けブログで、getUserMedia APIのサポートを表明済み。Nightly Builds(Firefox 16)からプラグインレスでWebカメラなどからデータを取得できるという。エンドユーザーにとって、主役はWebRTCやgetUserMedia APIではなく、Webアプリケーションである。これらの機能を活用したWebアプリケーションの登場を強く望みたい。

阿久津良和(Cactus)