2011年10月末、ASUS初のUltrabookとして報道陣の前に正式発表された「ZENBOOK」シリーズ。極薄&軽量ながら高い処理能力とロングライフ、そして美しいフォルムを兼ね備えた筐体に、発表会場で心奪われたのを今でも覚えている。そして2012年6月、ZENBOOKシリーズは進化によってまた新鮮な驚きを与えてくれた。その代表格といえるのが、今回レビューする「ZENBOOK Prime UX31A」(UX31A-R4256)である。
■主なスペック [CPU] Intel Core i7 3517U(1.90GHz) [チップセット] Mobile Intel HM76 Express [メモリ] 4GB DDR3-1600 [ストレージ] 256GB SSD [グラフィックス] Intel HD Graphics 4000(CPU内蔵) [ディスプレイ] LEDバックライト付き13.3インチワイド液晶(1920×1080ドット) [OS] Windows 7 Home Premium 64ビット版(SP1適用済) [希望小売価格] 139,800円
1920×1080ドットの13.3型ワイドIPS液晶を採用
2012年夏モデルでラインアップに加わった「ZENBOOK Prime」シリーズの特徴は、なんといっても液晶の解像度が大幅に向上したことだ。ZENBOOK Primeシリーズは、今回のレビュー対象である13.3型ワイド液晶搭載モデル「UX31A」(UX31A-R4256)および、11.6型ワイド液晶搭載モデル「UX21A」(UX21A-K1256)の2機種だが、いずれも1920×1080ドットという超高解像度のIPS液晶を採用。さらに、野外でも見やすい350カンデラの高輝度と、178°の広視野角まで実現している。
たしかに、1600×900ドット表示の13.3型ワイドTN液晶を備えた旧モデル「UX31E」も、発売当時としては非常に魅力的な機種だった。しかし、実際に1920×1080ドット表示の高輝度・広視野角なIPS液晶を見た後は、その使いやすさから離れられなくなってしまう。
まず、作業エリアの広さは1600×900ドットと比べて1.44倍まで拡大。この広さを活かし、Webブラウザで情報を集めながらプレゼン資料やレポートを作成、といった作業もかなりやりやすくなっている。画質の面では、小さな文字などがより高精細に見やすく表示できるほか、パリッとした鮮やかな発色も好印象だ。
見やすさという点では、輝度の向上も影響していると思われる。屋外など明るい場所で使いやすいのはもちろん、室内での通常使用なら輝度をかなり下げても問題ないレベルといえる。
さらに、視野角が178°まで拡大されたのも使いやすい。レビューに際しては隣の机に対象機を置くことが多いのだが、斜めからでもベンチマークを稼働中の画面が非常に見やすかった。実使用においては、たとえばビジネスパーソンが取引先で簡易プレゼンをするなど、2人以上で画面を見たいようなシチュエーションにも強いといえる。
もうひとつ特徴的なのが、ZENBOOKシリーズとしてキーボードにバックライトを新採用したこと。ZENBOOKはそのコンセプトやデザインを見ても分かる通り、Ultrabookの中でも発売当初からアップルの「MacBook Air」と比較されることが多いシリーズだ。その比較内容として、「キーボードのバックライトが欲しい」という声が多く上がっていたのである。
確かに持ち運びに便利なUltrabookは、デスクトップPCや据え置き中心の大画面ノートPCと比べて、少し薄暗いシチュエーションで使用する機会も多い。そんな「ちょっと暗いな」と感じる場面で役立つバックライト付きキーボードの新採用は、ユーザーの声を見事に反映した形だ。
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