本企画ではこれまで2回にわたり、仮想デスクトップ環境や、中堅・中小企業向けソリューション「VDI-in-a-Box」について解説してきた。

仮想デスクトップ環境が、テレワーク/ノマドワーク環境を実現できるうえ、災害対策としても有効で、特に中小企業において最適なソリューションであること。VDI-in-a-Boxであればハードウェアを含めて1台あたり6万円弱(シトリック概算)であるうえ、導入作業も通常の仮想デスクトップ環境に比べて圧倒的に簡単なため、中小企業でも手の届くものであることがご理解いただけたと思う。

とはいえ、VDI-in-a-Boxが中小企業にとって本当に有効かどうかは、やはり実際に触ってみないとわからない。導入作業が膨大だったり、使い勝手に問題があったりすれば、無駄な投資という結果に陥ってしまうだろう。

そこで、本企画の最後となる今回は、VDI-in-a-Boxを導入し、動作させるまでを試してみたい。導入手順についても、画面を載せながらご紹介していくので、導入検討の参考として、あるいは導入作業のリファレンスとしてご活用いただければ幸いだ。

取材先から遠いオフィスに戻らなくても済む!?

せっかく導入を行うので、筆者の実際の業務で活用することを想定しながら作業を進めていきたい。そのための背景を先に説明しておこう。

筆者の所属するONGSは、オフィスを東京都稲城市に構える、従業員4人の小さな企業である。ITに関連した記事/書籍の執筆のほか、中小規模のアプリケーション開発やセミナー講師なども行っている。取材や講演、打ち合わせなどで外出する機会が多く、1日に2、3件重なることも珍しくない。

一方でアプリケーション開発や、今回のような実証記事の執筆に際しては、社内のサーバに接続したデスクトップPCを利用している。検証結果や執筆原稿のデータはオフィスにしかないため、スケジュールによっては、朝から夕方までオフィス街で取材を重ねた後、稲城市のオフィスに戻って開発/執筆作業を進めなければならないケースもある。移動に要する時間は決して短くないため、可能であれば外出先から自宅に戻って作業をしたいという気分になることもあるが、そうもいかないというのが実情だ。

こうした問題を解決するうえで仮想デスクトップ環境は有効だ。社内でも、社外でも常に同じ環境が利用できるようになる。外出の多いビジネスマンにとってはありがたいメリットだ。

スケールアウトが簡単! 社員が増えても大丈夫

VDI-in-a-Boxについて、筆者が感じたメリットをもう少し挙げておこう。

同製品は、大企業向けに提供されている仮想デスクトップのソリューションを、単一のプロダクトとしてまとめ上げている。

通常、仮想デスクトップインフラを構築するためにはロードバランサ、コネクションブローカ、2台以上のマネージメントサーバ、プロビジョニングサーバ、高性能ストレージプールなどが必要になる。コストや作業の内容を考えると、中小企業でこれらをすべて用意するというのは現実的ではない。

しかし、VDI-in-a-Boxはこうしたサーバ群を必要としない。必要なのはハイパーバイザが搭載されたサーバだけだ。具体的には、以下のようなハイパーバイザが動作していればよい。

  • Citrix XenServer 6.0、5.6FP1、5.6
  • Microsoft Hyper-V 2008R2 SP1、Windows Server 2008R2 SP1
  • VMware ESXi 5.0、4.1

しかもスケールが極めて簡単という。性能に問題が出始めたら、同じハイパーバイザを搭載したサーバを追加すればよい。追加に必要な作業はVDI-in-a-Boxがすべて自動で実施してくれる。

対応するクライアントマシンは豊富、iPad/iPhoneからも利用可能

VDI-in-a-Boxを使うときに必要なCitrix Receiverは、様々なデバイスをサポートしているので、クライアントがPCに限定されず、iPadやiPhone、Androidデバイスからも利用できるようになる。

筆者の環境ではあまりないが、業務によってはデータが参照できればよいというケースもあるだろう。こうしたケースでは、PCよりもiPadのようなタブレットデバイスの方が手軽に利用できる。VDI-in-a-Boxで仮想デスクトップを導入した場合、そういったユースケースにも対応できるのだ。

また、PCにおいても、クライアントマシンはWindowsに限らず、Mac OS XやLinuxにも対応している。筆者は仕事柄、Mac OS XやLinuxマシンを利用することも多いので、これは大きなメリットだ。

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中小企業向けの仮想デスクトップ環境あります


中小企業を意識して開発された仮想デスクトップ環境、それがシトリックスの「Citrix VDI-in-a-Box」だ。

Citrix VDI-in-a-Boxは、低価格で設定が容易なオールインワンタイプの仮想デスクトップソリューションです。VDI-in-a-Boxにより規模が小さな企業でも、仮想デスクトップが提供する「コスト削減」、「セキュリティ向上」および「社員の生産性向上」といったメリットを享受できるようになります。

Citrix VDI-in-a-Boxの無料評価版は、こちらのWebサイトからご提供しております。

――「VDI-in-a-BOX」特設サイト開設中――


マイナビニュースでは、中小企業向け仮想デスクトップ環境「VDI-in-a-BOX」の特設サイトを開設しています。

今後、同製品の紹介記事を順次公開予定。製品の特長を紹介するインタビュー記事から、製品を実際に導入して試したレポート記事までさまざまなものを掲載していきます。詳細は、こちらのWebサイトをご覧ください。