今回のバージョンアップで大きくフィーチャーされることになった「Adobe Creative Cloudメンバーシップ」は、2011年11月にアドビが発表した新しいソリューションである。その特徴は、パソコンやタブレット端末、Webなどの制作環境を問わずクリエイティブワークを可能にする取り組みだということ。「Adobe Creative Cloud」に加入することで、おなじみのデスクトップアプリケーションはもちろん、今年に入って毎月のようにiTunes Storeにアップされている「Adobe Touch Apps」のシリーズ、そしてタブレット端末上での出版物制作・配信を可能にする「Adobe Digital Publishing Suite」や「Adobe Business Catalyst」などのクラウドサービス、さらにメンバー間におけるコラボレーションやフォーラムなどを運営するコミュニティを利用・参加できる。

契約期間中は常に最新バージョン製品と関連サービスを利用できるので、アプリケーション導入の選択肢としてクリエイターの強い味方になるに違いない。

「買うより年間契約」が得をする!?

とはいえ、仕事の内容によっては「Adobe Creative Cloud メンバーシップ」に加入するまでもない、と考える読者も多いことだろう。そこで、現在CS2のユーザーがAdobe Creative Suite 6 Design Standardにあたる「Adobe Photoshop CS6」、「Adobe Illustrator CS6」、「Adobe InDesign CS6」、「Adobe Acrobat X」を単体製品サブスクリプションプラン/年間プランで導入した場合を例に、1年間の契約でコストを試算してみよう。

CS2ユーザーはすでにアップグレード対象から外れているので、「4アプリケーション×月額2,200円×12か月=10万5,600円」となり、製品版で新規購入するよりも6万円ほど安く導入できる。

サブスクリプションプランでも、利用期間内に最新バージョンがリリースされればそのまま新しい物へと移行できる。約1年~2年でアップグレードがリリースされるスケジュールに左右されず、一律のコストで最新環境が入手できることも大きなメリットだ。

とかく「アップグレード価格が高い」と悩むユーザーには一考の価値アリな購入方法なのではないだろうか。