小寺氏は、日本独自のワンセグなどの機能を全て搭載しながら、今回のサイズに収めるのが難しかったと話しつつ、HTC J ISW13HT開発のテーマが「MADE FOR JAPAN」であり、日本のための魅力を満載にした、とアピールする。
KDDIと一緒にワクワクする製品を
製品開発に当たっては、2年前からの付き合いの田中社長とChou CEOの二人の関係から生まれたという。第1弾としてリリースしたHTC EVO 3Dは、「ギーク層に受け入れられ」(田中社長)、社内調査でも利用者の満足度はもっとも高かった。このHTCの端末を「一般の人にももっと広めたいと思った」(同)のが、HTC J ISW13HT開発の契機となり、両社の共同作業によって生まれたそうだ。
HTCは、「テクノロジーやイノベーションのパイオニアとして、スマートフォンに情熱を燃やしてきた」(Chou CEO)が、田中社長との対話で、「プロダクトは"かわいい(Kawaii)"デザインが必要」という意見をもらい、HTCは、これを受けて新たなHTC J ISW13HTのデザインをしたそうだ。
HTC Nipponの村井良二社長は、「1つの国のために、ゼロからスクラッチで作った、HTCにとって世界で初めての製品」とアピール。HTCブランドを日本市場で強くするために非常に大きな意味があり、強い意気込みが入っている、と強調する。
こちらはHTCとTPVテクノロジーが共同開発したタッチパネル搭載ディスプレイ。HDMI経由でスマートフォンを接続すると、最適な形で画面をディスプレイに表示し、タッチパネルを使ってそのままスマートフォンを操作できる。HTCに最適化しているため、「今年以降のHTC端末で動作する」(担当者)そうだ。現在開発中で、今後発売を予定している |
「今年はフィーチャーフォンユーザーが乗り換える年になる」と村井社長。従来のアーリーイノベーターに指示されてきたHTCの製品だけでなく、「さらに間口を広げ、マジョリティに親しんでもらえる端末を作るのがミッションだった」と話す。HTC J ISW13HTのカメラや音楽、ユーザーインタフェースによって、一般ユーザーに対してはまず体験してもらい、スマートフォンが難しい、使いにくいというユーザーの心配を「払拭したい」と意気込む。
日本市場に特化した製品を出したことに対してChou CEOは、「非常にユニークな文化をもった日本には優れたスタイル感覚を持っていて、インスピレーションを与えてくれる。スマートフォンに日本的なスタイル感覚を盛り込みたかった」とコメント。HTC J ISW13HTに対しては日本でのブランド認知度向上とHTCの製品の差別化を図ることを狙いに据える。
村井社長は、日本市場はマーケットとしては小さいが、ユーザーの目が「恐らく世界でも一番厳しい」ため、HTCが鍛えられるという点と、特にアジアでは日本発のトレンドが流行する傾向にあり、「日本発の流行を輸出するような、端末の台数以外の副次的な部分で魅力がある」としている。Chou CEOは、「KDDIにも日本市場にもコミットしている。これからもKDDIと一緒にワクワクした製品を出していきたい」と意気込んでいる。
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