充実する開発環境

そしてプレゼンテーションの後半では、同社が10月にサンフランシスコで開催されたDevCon Americasで紹介された「BlackBerry Jam」の再紹介のほか、DevCon Europeのタイミングでリニューアルされた開発者向けサイトの紹介が行われている

現在、RIMの主要開発ツールの多くがPlayBookをターゲットに提供されているが、この理由は今後登場するBlackBerry 10とQNXというベースプラットフォーム上で統一され、スマートフォンとタブレットOSで共通の開発基盤が出来上がることに由来する。BlackBerry OSのもともともの開発環境はJava、C/C++のNative SDKといったものだが、これに加えて最近ではHTML5、さらにPlayBook向けにAdobe AIRといった具合にバリエーションが増えつつある。さらにコアOS上で他のOSのランタイム(例えばAndroid)を走らせる仕組みも提供されており、既存のAndroidデベロッパーがそのままApp World上でアプリをリリースすることも可能だという(「Dolphine Browser」などがその一例)。

オープンソースとの連携では、ビジュアルフレームワークであるQt (キュート)との連携やツールが紹介されているほか、Unityなどのクロスプラットフォーム開発ツールでの活用例も紹介されており、開発者にとって"優しい"プラットフォーム作りを目指していることがうかがえる。もっとも、ゲームを中心にApp Worldの主力アプリの多くはNative環境ベースとのことで、こうしたツール群の活用はまだまだこれからといった印象だが、「鶏と卵論争」に陥る前に「まずは開発者支援から」というのがRIMの基本方針なのだろう。

リニューアルされた開発者サイト。各種ツールやコードへのリンクや成功事例、データなどをまとめて参照できる